表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/69

お疲れさまでした!明日も頑張ろう!

 その後、店番を次の人に任せ、俺は自由に。

 この後はどうしようかな~と考えていると、見知った顔が。あれは……。


「母さんじゃん。それに詩織さんも」


 なお、詩織さんとは、紗也の母親だ。


「あ、和也。偶然ね」

「和也君、紗也はどこか分からない?」


「紗也とは午前中は一緒に行動してたんですけど、午後は見かけてないですね。ついさっきまで、俺はそこで店番を、紗也は音響担当で第一体育館にいたので」


「そうなのね。うーん、友達と見て回ってるのかしら……あら?」


 何かに気が付いた詩織さん。振り返ると……


「お母さんに由香さん! それにかず兄も! 何喋ってたの?」


「紗也がどこにいるかって話をしてた」


「そうなの? それじゃあ、ちょうどよかったのかな」


「ええ。せっかくだし、案内してくれない? 由香さんはともかく、私は高六丘高校は初めてだし。あ、友達と見て回る予定だったなら、そっちを優先してね」


「うんん、大丈夫よ。若愛ちゃんは早瀬君と一緒に回るみたいだから、私とは別行動」

「へえ! あの二人、そこまで仲良くなったんだ! そっかそっか。末永くお幸せに、だな」

「そうなの! ゆっくりと距離を縮めてるみたいよ」

「二人らしいな」

「そうね」


「そっか、それじゃあ、案内してもらおうかな。和也君はどうする?」


「俺は……。誰かと見て回る約束も無いので……。母さんはこれからどうするの?」


「私? 特に考えてないけど、詩織さんと行動しようかなと。着いてくる?」


「んじゃそうするよ」


 その後、紗也と俺は、母さんたちを案内した。時折、クラスメイトに会って「もしかして母親? どうも、クラスメイトの○○です」的な会話をした。中学校の頃は、親と一緒にいる所を見られるのは恥ずかしかったけど、今は何とも思わないなあ。これが成長ってやつかな。



 そうこうする内に、時間は流れ。文化祭一日目は終了となった。教室に戻り、終礼を行う。


「えー、という訳で、一日目を無事終える事が出来ました! みなさん、お疲れさまでした。明日は片付けで忙しくなるので、今日、軽く打ち上げをしたいと提案すると無事許可が下りました!!」


「おおーー!」


「と言っても、ジュースとお菓子くらいしかないですけどね。反省会をしつつ、飲み食いするって感じで。それじゃあ、各自、好きな飲み物とお菓子を取ってー。あ、まだ飲まないでくれよ。乾杯するから」



「よし、全員に回ったかな? それじゃあ、一日目の終了を祝って、そして明日の成功を祈って。乾杯!」


「「「乾杯!」」」



「さて、では早速だが、反省会をしようか。俺は特に目立った問題は無かったように思うけど、どうだった?」


「はい、私から。私、店番の担当が14時~14時半だったのだけど、暑くて大変だったわ。可能なら、明日までに扇風機を用意してほしいわ」


「なるほどなるほど。暑いという意見は、他にも挙がっていたな。採用するよ。他には?」


「衣装の一部が破れてしまったんだけど、どうしよう? 俺、裁縫なんてできないから、誰かにして欲しいんだけど……」


「それなら、私がやっておくわ。衣装の手直しや修繕は私の領分だから」


「助かる! 迷惑かけてスマン!」


「いえいえ。それに、それって大道具を運んでるときに出来たやつでしょ? 悪くなんてないって」


「あ、俺のボタンも……」


「一ノ瀬? あんたはチャンバラごっこ中に外れたんでしょ? 自己責任よ。自分で手直ししなさい」


「うぐ! ごめんなさい……。でも、俺、ボタン付けなんて出来ないぞ……」


「それくらい出来ないと、女の子に嫌われるわよ? 特に、結婚ともなれば『この人、鍛冶が一切できない人か……』って思われたら、モテないわ」


「あ、良く考えたら、俺ってボタン付けくらいは出来るわ。自分で頑張るから、気にしないで」


「「「あははは」」」


「他に困った事は……。特にないみたいだな。じゃあ、明日のスケジュールの再確認をするぞ。明日の公演は10時15分からだ。今日は午後からだったが、明日は午前なので、注意して頂きたい。その後、小道具の中で売りに出す物は直ぐに店に運んで売る。それ以外の小道具の内、分解して捨てる予定の物、具体的には段ボールで作った(くわ)(すき)など、は随時分解するから教室の後ろに運んでくれ。あとそれ以外、例えば私物の道具、は教室の前に置いておく。終礼時に各自持って帰る形になるな。質問は?」


「はい! 分解する前に集合写真を撮りませんか?」


「あー。どうしようか。先輩から聞いた話なんだが、それをしていると、想像以上に帰りが遅くなったりするらしくてな……。実際、去年もそれで問題が起きたらしくてな。うーん……。それなら、今日撮影しておこうか? どうだろう?」


「「「異議なし」」」


「よし、それじゃあ、記念撮影だ。っとその前に、他に質問や意見は? ……特にないか。それじゃあ、集合写真を撮って、その後解散だ!」



先生「撮った写真の内、一番移りが良かった物は現像して配るわね」


萩原「ありがとうございます、先生」


先生「それ以外は……どうしましょ? データでみんなに渡すべきかな?」


萩原「あー。そうですね。そうして頂けると嬉しいです」


先生「ただ、その画像を公共のSNSには流さないように。厳重注意しておいて」


萩原「かしこまりました」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ