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夏休み明け2

 我々のクラスにやってくる留学生の歓迎会でする質問を決める事になった。


「やっぱり、何故日本に興味を持ったのか、って聞きたいよな」

「そうだな。いい質問だと思う」

☆日本に来たきっかけ


「お嬢様って事だし、いい家に住んでいるのよね? どんな家に住んでるのか気になるわ!」

「そうだなあ……。プライベートな質問だし、答えてくれるかなあ……。取り敢えず保留かな」

・どんな家?


「彼氏の有無!」

「それもプライベートな質問だからなあ……」

「いや、これは聞かねばならない! 絶対に!」

「お、おう。取り敢えず保留だな」

・彼氏の有無


「彼女の有無!」

「?」

百合(ゆり)とは美しい物である」

「あ、そういうことね。確かに『男性には興味が無いの』とか言われる可能性もあるよな。あるのか?」

・彼氏の有無→恋人の有無


「日本でしてみたい経験とか!」

「それはいいね! 行きたいところがあるなら、案内できるかもしれないし」

☆日本でしたいこと


「『してみたい経験』に近いけど『食べてみたい物』とか」

「なるほどなるほど。逆に食べれない物が無いかも聞いておかないと」

☆食べてみたい物・食べれない物


「彼氏に求める条件!」

「却下。次」

「なんでだよ! 聞いても問題ないだろ?!」

「初対面でする話じゃないだろ! 合コンじゃあるまいし」

「ちぇー」


「このクラスで一緒に学ぶって事は、歴史の授業とかも受けるんだよな?」

「そうだと思うけど……。先生?」

「ええ、もちろんよ」

「だったら、日本史の人物で好きな人は? とかどうかな?」

「いいね。いったん保留にするけど、そういう質問は面白いと思う」

・日本史の人物で好きな人


「好きな科目・嫌いな科目とか」

「そうだね。これは聞いておいた方が良いと思う」

☆好きな科目・嫌いな科目


「好きな本を聞いてみたいわ!」

「いいね! 英語圏で流行ってる本を教えてもらえるかも!」

☆好きな本


「犬派か猫派か」

「うーん? それだったらペットについて聞く方が良いかな?」

☆ペットの有無。好きなペット


「キノコ派かタケノコ派か」

「外国人にそのネタは通じないだろ?! てか聞いてどうする!」

「面白いじゃん!」

「うーん……。でも、日本のお菓子として紹介するのはアリかもね……」

・好きなお菓子(キノコ派かタケノコ派か)


「好きな日本刀を聞いてみるのはどうでござろう?」

「却下。次」

「そんなあ……」


「日本のラノベやアニメって海外でも人気って聞くじゃん? だから、日本のラノベとかアニメを見たことがあるかとか知りたい!」

「そうだな。もし知っているなら、会話のネタになるだろうし、聞くのはいいと思う」

☆好きなラノベやアニメ


「スマホの種類! 『|欠けたリンゴ《BittenApple》』か『緑のロボット(GreenRobot)』か」

「それを聞いてどうするんだ?」

「いや、気になるじゃん?」

「そうかな……? まあ、スマホ持ってるの? SNSやってる?とか聞くのはいいかもね」

☆スマホについて。(SNSについて・機種について)


「パソコンの機種! 『|欠けたリンゴ《BittenApple》』か『WinWinダゼ!』か」

「もはや、それを聞く意味が分からないのだが?」

「ガジェオタとしては気になるのである! ちなみに、俺は『|欠けたリンゴ《BittenApple》』信者」

「お前の趣味は聞いてないよ! うーん……? 取りあえず保留」

・パソコンについて


「好きな歌!」

「まともな意見ありがと」

☆好きな歌について



「ざっとこんな感じかな? もちろん、時間が余れば、追加の質問を投げかけるのはオッケーだから、各自考えておいて。それじゃあ、教室の装飾を本格的に始めようか!」


「「「おー!」」」



 こうして、その日のうちに、教室は「日本」って感じにデコレーションされたのだった。途中見に来た学年主任の先生が「ほう! 凄くいい感じじゃん!」と褒めてくれた。よかったよかった。




 その日の晩。外は雨が降っており、不気味な雰囲気を醸し出していた。

 そんな中、俺と姉さんはスマホゲームで遊んでいた。いつぞやに遊んだ『ウルトラアカツキシスターズ(UAS)』のリメイク版だ。名前は『Garden of Witches』といい、魔法使いとなった主人公の学園生活をテーマにしたRPGゲームである。


「どうだ? 操作性とかグラフィックとか」


「うーん。ここの色合い、ちょっと見にくくない?」


「そうか?」


「あー。もしかしたら、色弱のせいかも」


「なるほどな。そんなケースについては考えてなかったよ。メモメモ」


「あと、起動前に『本ゲームは音が鳴ります』って忠告が欲しいかも? 電車で遊ぼうとして、大音量で音がなったら嫌じゃん?」


「あー確かに。それなら、バイノーラルについても触れておいた方が良いな」


「バイノーラル?」


「ほら、左右の耳で聞こえる音が違うだろ? それによって、よりリアルな音体験が出来るんだよ」


「なるほど。この事をバイノーラルって言うのか」


「そうそう。ってか軽食を食べたいな。アイスとかあったっけ?」


「ジュースを凍らせて作れば……」


「いや、そうじゃなくて。普通のアイスが食べたいんだ!」


「それなら買いに行かないと……」


「よし、和也。買いに行ってくれ!」


「この雨の中? 嫌だよ。姉さんが行ってよ」


「頼むよーー! 私、動きたくないー!」


「じゃあ、じゃんけんで決めようじゃないか。負けた方が買いに行くって事で!」


 最初はグー。

 じゃんけん――




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