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ルリをどうするか&Side精霊 何故そなたは無茶をするのか

「あ」


 2人でなんとなく笑いあっていた中で、急にレンが声をあげた


「ん?どうかしたの?」


「ルリどうしよう!?」


「だいじょーぶだよ!!」


 ルリどうしよう!?といった途端、リアの腕の中にいたルリがだいじょーぶだよ!!と、いった


「ルリ!?いつから起きて……」


「おにいちゃんがじじょーせつめいしだしたところ!」


「何!?何で声をかけてくれなかったんだ!!」


「?おねーちゃんがちょっとだまっててねっていってたから」


「おい!」


 そう、実はルリは大分前に起きていた。まぁあれだけ大声を出せば当然だが。しかしリアはルリが起きたことを確認するや否やすぐさま「少し黙っててね」と言いそのままレンと話を続けていたのだ


「説明の手間省けたしいいじゃん。それにルリちゃんに何も分かってないふりさせるの可哀想だったし」


「何も分かってないふり??」


「そう、ルリちゃん、奴隷の意味も、何もかも分かってたんでしょ?」


「もちろんです!さすがにわかります!」


「そんな」


 何とルリは何も分かってないと兄であるレンが思っていたからそれに合わせていたのだ。頭がいい。だがレンは多分最初からその事をいっておいてほしいと言うと思う


「さて、これで問題は無くなったね!で、具体的に奴隷商をどうしたいの?」


「まぁ問題は無くなったけどさ……はぁ……え~と、奴隷商をどうするかだったよな?そうだな……鉱山奴隷としてギリギリ使えるくらいに痛め付けてから違法奴隷の売買とかの罪で法で裁いて貰う」


「自分で殺らなくていいの?」


「重要なのはあいつが苦しんでいるということだからな」


「へぇ」


 リアはレンのこの返しを意外に思っていた。今までの依頼人は大体が自分の手で痛め付けたい、もしくは自分の目の前で痛め付けてくれ、と頼まれていたからだ。故に、面白いと思った。そしてこの出会いに感謝せねばと考えた


「それじゃあまずは罪状を洗い出す必要があるね……という話の前に本来聞いておくべき事があるんだよね」


「「?」」


「貴方たちが何故逃げられたのかとかそこら辺の話」


「「あ」」


 そう、実はそこら辺の事を一切聞いていなかったため本来とても重要な話が聞けていなかったのだ


「それじゃ、説明してくれる?」


「えっと、あいつらは俺たちの事を過小評価してたんだ。だから、奴隷を入れておくための牢も、鍵も、魔法耐性とかがない物だったんだ。それを牢に入れられてすぐに確認出来たから、数日間おとなしくして見せて、俺たちはあいつらに逆らえないって思わせて、牢番とかも油断して寝ている時に逃げ出した」


「なるほど。おそらく牢に関しては出きるだけ節約したかったんだろうね。そもそも基本獣人は魔法を嫌うから問題ないって考えられてるだろうし」


 今回も、説明してくれる?とても言われてレンは素直に話した。しかし、前回とは違う点がある。それは、前回のように強制的に喋らせられたのではなく、自ら喋ったという点だ


「これから俺たちはどうすればいいと思う?」


「そうだなぁ。取り敢えずまずはその鎖を私が外して、その後で町とかに行って冒険者登録とかしておく?冒険者になれば身分証明出来るし」


「冒険者?」


「そう、迷宮って分かるかな?あれの中に入って、魔獣倒したり、お宝を見つけたりするの。まぁ、駆け出しの冒険者用に町の人たちからどの薬草を取ってきて~とか、運搬作業手伝って~とかのたくさんの依頼があるから、それを受ける人もいるけどね」


「「面白そう!」」


「あははは。まぁ、面白いよ?でも、迷宮の方に関しては死ぬ確率が高いから気を付けようね?」


 そう、前にも(具体的には第1話で)言ったが迷宮は死との隣り合わせだ。だが、その分得られる物も多い。それに迷宮に行かねばいずれ魔獣の大量発生により、魔獣が迷宮の外に出てしまい、スタンピードと呼ばれる魔獣の大行進が始まってしまう。それらが冒険者という職業が何年も存在する理由だろう








「それじゃあ取り敢えず足首と手首に付けられた鎖を外そうか」


 その言葉にレンは驚愕した


「そんな事が出きるのか!?」


「?まりょくがたかいひとだったらごりおしではずすこともできるよ?」


「そうなのか!?」


「そうだけど……知らなかったの?」


 リアのその返しに常識的なことなんだろうと誤解し、レンは項垂れた


「知らなかった……」


「あはははは……それじゃあ、鎖を外してもいいかな?」


「お願いします」「おねがいします!」


 リアはそう言ってから立ち上がって


『我望むはこれらの獣人の子の枷を外すこと。我はその対価としてそなたらに我が魔力を捧げよう』


 と言った。これは精霊に魔力を捧げることで己の望む結果をもたらして貰う『精霊魔法』と呼ばれる魔法の型だ。この魔法を使うには精霊に気に入られている必要があるため使い手は少ない。しかし、一般の魔法よりも己が望む結果を正確にもたらしてくれる。その分多大な魔力を使うが


 故に、レンとルリはとても驚き、固まった。基本精霊魔法の使い手はその事を明かさないし、自分達のために多大な魔力を使ってくれたからだ。だが、驚いたのはそれだけではないかもしれない。


 何故なら、リアが精霊魔法使ったとき、精霊魔法の詠唱を聞きやってきた精霊たちがリアの周りをくるくると回っていてとても美しかったからだ。


 そんなこんなで2人が放心状態(?)になっている間に2人の鎖は砂のように崩れていった


「き、えた?」「やったー!なくなった!!」


「うん。これで貴方たちは奴隷ではなくなったよ」


「……ありがとう」


「問題ないよ。それに違法奴隷で、さらにまだ主が決まっていない場合、解放するのは簡単だからね。……それに、本番はここからでしょ?」


 リアのその言葉にレンは


「!ああ、そうだな……改めて、宜しくお願いします!」


 と、元気よく返事をした







 

 

 それからリアたちが雑談をしているといつの間にか日が登ってきたため、リアがまたログハウスと結界を張り、全員寝る事にした。3人はまだ15にもならない子供だ。よく寝るに限る。とはいえ次の日の朝まで全員寝ているのは寝すぎではないだろうか?まぁ、リアは精霊魔法の使用により疲れていて、ルリとレンは今まで逃げてきていたのだから仕方がないか




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


Side精霊 何故そなたは無茶をするのか




 愛しい、愛しい、我ら【闇】と【水】の精霊の申し子が我ら【闇】の精霊に2人の獣人の鎖を解いてくれと言うて来た。その対価として魔力を捧げようと言うてきた


 それ自体は別に構わん。我らが愛し子の願いなら叶えてみせよう。だがしかし、対価として捧げる魔力が毎度多すぎる。いくら我らの愛し子であることにより魔力はすぐに回復すると言っても愛し子自身はその事を知らぬはずだ。何故そなたは無茶をするのか。そなたが望むと言うのなら、我らは無償でそなたに力をかすというのに


『闇の精霊王様、いかがなさいましたか?』


『ああ、何故我らの愛し子たるリアは我らを頼ってくれんのかと思うての』


『……愛し子は出来る限り自身の力で物事を進めたいとおっしゃる方ですから』


『そんなことは分かっておる。だが、どうしても考えてまうのだ』


 何故、そなたは我らを頼らぬ?そなたに頼られたなら、我らは全力でそなたを助ける。そしてそれは、水の精霊共とて同じであろうに




おはようございますTwitterの方でフォロワーが10人越えたと思ったら9人に戻って衝撃を受けた黒瀬です。書きためてる方がもうすぐ第1章終わりそうなので更新頻度が上がるかもしれませんというお知らせをしておきます。


Twitter垢

https://twitter.com/YcmsZdUVKKDm6mu?s=09

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