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Sideシャナ 僕に生きる意味なんてあるのかな

「こんな物売れる訳ないだろ!!書き直せ!」


 2年前、新人の小説家だった僕は、よくそんなことを言われていた。でも、僕は知った。知ってしまった。そういう風に貶されていた僕の作品を他者の物として発表し、それが高い評価を受けいてたことを


 当時僕の編集者だった人は、僕がその事を知ってしまうとは思ってもいなかっただろう。なにせ、僕は当時の編集者が思っていたように、何も知らなかった。あの方が……リアさんが僕にその事を教えてくださるまでは


 僕にその事実を話してくれたリアさんに対して当時の僕はとても酷いことを言った、ということだけは覚えている。何で教えたんだ、知らなければただただ自分を責めていればよかったのに。とかそんなことを言った……ような気がする。正直いって、あの頃の記憶はほとんどないんだ。医者によればショックが強すぎて忘れようとしているんだろう、と言われた。それにしてもリアさんにはとても悪いことをした。僕が編集者に渡す前に読んでくれた時に僕の作品が気に入ったからって、教えてくれただけだったのに……


 僕は、その僕にとって衝撃だった事実を聞いて、数日間は呆然としていた。そして





 “死ね”ば、僕の作品を奪った人と、僕の編集者に復讐出来るかな





 そんなことを、考えた。


 その時は、それが最善だと思っていたんだ。だから、編集者を糾弾する遺書を書いて……その町の近くの崖から、


 



 飛 び 降 り た





 飛び降りて最初の数秒間は、これで編集者たちは困るかな、少しでも罪悪感を覚えてくれるかな、って考えてた。でも、もうすぐ地面に着くってところで、




「死にたくない」




 そう、思ったんだ。でも、あと少しで地面に着いてしまう。






 もう、間に合わない




















「よく、そう言ってくれた」
















 目が覚めたら、リアさんの顔がドアップで目に映った。勿論驚いて絶叫したことは言うまでもない




「何で、え?僕、死んだはずじゃ」


 僕がそう聞くと、リアさんは心底不思議そうに首をかしげて


「私は貴方の物語が好きだから、死んでほしくなかった。そして貴方は死にたくないと言った。だから私は貴方を助けた」


 その言葉に、あの状況からどうやって助けたんだ、とか、どうして僕が死のうとしているのが分かったのか、とか、色々と言いたいことがあったけど……


「復讐したいって言ってたよね?合法で復讐しない?」


 とか言い出して、そっちに気を取られちゃって、聞きそびれたんだよね。








 それから、リアさんとの会話で一番心に残っているのは


「僕に生きる価値なんてあるのかな」


 って、つぶやいたときに、


「少なくとも私は、貴方に生きて居てほしいよ」


 そう、言ってくれたことかな!












 リアさんは僕の身を守ってくれて、更には僕の存在を肯定してくれた。だから僕は、リアさんの為に尽くしたいと思っているんだ!




すみませんまた短めです……

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