表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/38

担当編集者が可哀想

「そこは追及しない流れじゃん??なんで追及してくんの?」


「別にいいじゃないですか。僕ならそっちでも手伝えますよ」


 リアの質問には何故追及するのか答えず、自分なら手伝える、と主張した


「……まあ、確かにシャナに手伝って貰えた方がらくだね。手伝ってもらってもいい?」


「勿論です!!」


 リアはそっちとはどっちなのか、等は聞かずに手伝いを許可した。この反応からしてシャナはリアが復讐代行者であることを知っている……のだろうか


「それじゃあ、後で『薬膳こそが正義!』って宿に来て」


「はい!何時ぐらいに行けばいいですか?」


「ん~今3時だから……5時くらいで」


「了解です!」


 と、普通に喋っていたが、周りの人たちは


「おいあの宿の名前聞いて混乱も驚愕もしてねぇぞあいつ」

「やべぇな」


 どうやら『薬膳こそが正義!』という名前は冒険者にとっても驚くに値する名前のようだ。どうりでレンが聞き返した時に「あーー」(察し)という感じの態度になった訳だ


「それじゃあ、また後で」


「はい!」


「2人とも、次の露店行くよ」


「え?この露店は?」


「シャナが居るなら問題ないよ。人を見る目はあるから」


 シャナは小説を書く題材探しに、常に旅をしている。その経験から、いい人と悪い人の区別がなんとなくつくのだ。ちなみに年がら年中旅をしているせいでシャナの担当の小説編集者はいつも泣いている。今も居ないようだし、何処かでシャナを探しているところだろう。可愛そうに


「それじゃあ、行こうか……ってルリ!そっちは武器あるから戻ってきて!」


「何で他は全部アクセサリーなのにあの一角にだけ武器あるんだよ」


 もっともな突っ込みである










 時は5時になり、リアたちの部屋にシャナがやってきた


「話を聞きにきました!!」


「ああ、来てくれてありがとう。それから声量下げられる?」


「無理です!!」


 元気よく言うな。そしてシャナは小説家だった筈だ。ネタを言ったりして盗作されたりしないのだろうか


「そんな感じでネタとかも大声でいうからよく盗作されるんじゃない?」


 既に盗作されていた。だが、


「盗作されても他の人だとそこからのストーリーが上手く繋がらなくなるし、最近では私と似たようなネタをやる人は大体盗作してる奴だって皆が認識するようになったので大丈夫です!!」


「あっ、そう?相変わらずだね」


 “相変わらず”、ということは……これが普段通りなんだろうか。本当にシャナ担当の編集者が可愛そうだ


「ってまあその話は置いといて、いつも通り防音魔法掛けようか……復讐代行の依頼関係だから精霊魔法の方使うね」


「はい!」


『我望むはこの空間の音を外に出すことを妨げること。我はその対価としてそなたらに我が魔力を捧げよう』


 そういうと、精霊たちがリアの周りに光ながら集まり、回りだした。全員、この光景を見るのは1度目ではないがやはり皆見惚れていた。小さな光が集まっている状況は、別の世界でいう、“いるみねーしょん”というようなものと同じようで、とても美しい


 そして、


「なぁ、なんでこの……シャナって人に復讐代行の依頼関係って言ってて、シャナさんもその言葉を不思議におもっていないんだ?」


 精霊魔法を掛け終わった時、レンがリアに問いかけた


 そしてリアたちはレンのその言葉に固まり、


「(どうしたい?元とはいえ依頼人の意向に従うけど)」


「(あー。まぁいいですよ!)」


「(え?いいの??)」


「(勿論です!!)」


 こっそりとアイコンタクトを行っていた


「さて、本人からの許可が出たから説明しようか」


「え?いつ会話したんだ?」


「?さっき」


「???」


 アイコンタクトは端から見ればよくわからないし、いつそんな話をしたのか疑問に思うのは当然である。そしてそれに気づかないリアによってレンは更に混乱する。よく見る光景だ。ちなみにそのやり取りを目の前でやられたシャナとルリは2人ともの考えを理解したようで肩が震えている。きっと笑うより先に説明するという選択をしてくれればレンはとても嬉しかっただろう


「まぁ、それは置いといて」


「置いといて……!?」


「シャナが復讐代行に関することを知っているのは、シャナが昔私に復讐代行を依頼したからだよ」


「あの頃は本気で自害を考えていたので僕が生きていられているのは完全にリアさんのおかげなんですよ!」


 シャナのその言葉に、最近他のことに気を取られてばかりであまり話をしていなかったルリが食いかかった


「じがいはだめだよ!!いきていれば、きっといつかはしあわせになれるもん!!」


 シャナはルリにそう言われ


「ほんと、何であの頃は自害なんてしようと思ってたんだろうって僕も思うよ」


 と、微笑んだ


「ってな訳で、自分から首突っ込んできたんだがらとっても働いて貰うよ?」


 どこがどう「ってな訳で」と繋がるのか


「勿論です!何すればいいですか?」


 何故理解出来るのか。あれか、元依頼人だからか。と、まあそんな話は置いておいて、リアがシャナに今回の依頼の内容について話始めたようだ




「あれ?いつ許可を得たのかって話は?」




 尚、レンの質問は忘れ去れていた


本日短めです。すみません

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ