おはなし
まあ滅んだものは仕方がない。割り切っていこう。別に思い出とかがあるわけでもないしね。
そんなことよりも重要なのは情報である。『私』の考えではあれだ、ぽすとあぽなんとかってやつだ。
目次がどうのこうのって本の話をしてる人たちが世界が滅ぶとか言ってて、その滅んだ後の世界ってやつだな、うん、わかるわかる。
世界の滅びを予見するような目次のある本なんだから、きっとはんぱない預言書だったんじゃないか? 世界一のベストセラーとかそんなかんじの。
まあ話が逸れたけど、要するに文明が焼けたけど人類は死滅していなかった! という認識でいいんだろう。
なんにせよ目の前の青少年は貴重な情報源になるわけで。先程までの会話にしてもいくつもの貴重な情報をぽろってくれている訳だし。
まず最初の時点で襲われることを警戒していた、つまり普通の遺跡のなんやかやは人間を襲う。
おそらくは会話などの機能もなし、ただし青少年が経験豊富でない場合はそういう存在もいる可能性はあり。
服装の汚れから此処の研究所っぽいところから人類の生息圏までに少なくとも整備されていないか踏破しにくい地形、妨害などが考えられる。
腰に下げる刀剣の類や防具と思しき革製品から文明レベルはお察し。
遺跡側から見れば泥棒を肯定、つまり発掘品の回収や探索などで生計を立てている模様。これが商売なのか組織的な調査なのかは不明。
とはいえ持ち主がいないからいいじゃろとか言ってるし大方商売なんだろう。職業的と言ったほうが適切か?
となるとこの先の行動方針としてはいくつか考えなきゃいけないな。
まず当機が自動人形だと即バレする環境の場合。そうなると人類の生存権に当機のみで向かうのは厳しいだろう。
一般的に危険視されているであろうモノがのこのことやってきておいて、完全に放置してくれるというのは楽観視が過ぎる。
つまりその場合は最低でも当機が無害だと保証してくれる存在がなければ人類との接触は難しいということになる。
一方で別に自動人形と気が付かれない場合。その場合は外見が幼女なのでどうあがいても面倒な事があるだろう。
つまりその場合は最低でも当機のなんやかやを保証してくれる存在がなければ人類との接触は難しいということになる。
最後に人間なんぞ知ったこっちゃねぇ、自由こそ我が望みよという場合。
その場合もやはり世界情勢や常識などの知識、情報が必要なのは変わらないのだからそれを解決する別の手段が必要になるわけで。
結論:目の前の青少年は解決策。ここまで1秒も掛からない当機はマジ優秀。
「ではごすずん、とりあえずとーきはそちらのかんとくかにはいるぞ」
「は?」
知の巡りが悪いってやつだろうか。当機のような高性能な自動人形の主人になれるだなんて全身の穴という穴から汁という汁を垂れ流しにして喜んでしかるべきだろう。
いや、流石にそんな喜び様をする人間相手がいたら引くが。まあその位ラッキーという話よ。
「まさかとーきのようなゆーしゅーなおーとまたをかんとくできるとは、ごすずんはこううんだなぁ」
まあ流石に情報を抜くだけ抜いてポイみたいな非道はしないし、最低限の恩は返すのもやぶさかではない。
「じゃ、じゃああの入り口以外の出口に案内出来るか?」
青少年はどうやら本格的に頭の機能がその、何と言っていいか……アレらしい。当機の第一声をもう覚えていないのだろうか。
頭の具合を把握してうなずいた後、出来るだけ優しいほほえみを向けて堂々と答える。
「とーきもここがどこかしらんし。つまりむりなのだな?」
「役立たずじゃねぇか!!!」
「なんとしっけいなごすずんであるか!? でぐちなんてはいったところからでればいいので……あ、みちすらおぼえれてない……しょうがないごすずんである」
「何で俺の方が憐まれてんだよ!?」
頭を抱える青少年。知恵熱で頭が痛いのだろうか? 低スペックな人間は大変だなぁ。




