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あせるとはやくちになるやーつ

 当機が周囲の視線に対しての考察を深める中、ベイジルごすずんはカウンターの方へと声を掛けていた。


 テンプレート云々で言えばゴリマッチョのおやっさんなり美人なりだと『私』がいう中で、はたして年若い女性の受付嬢であった。


「リディアさん、買取手続きをお願いしたいんですけど」


「あら、ベイジル君じゃない。依頼は受けてなか……た……」


 何かの書類を書いていたのだろう、リディアと呼ばれた女性はまずベイジルの方を見て笑みを浮かべ、次に台車に積まれた荷物を見て驚き、最後に当機を見て固まった。


 やはり推定で敵性の存在が堂々と町中に入ってきた事が問題なのだろうか? ど、どうするのが正解だ?


 いや別に敵対されたところで返り討ちどころか傷一つ付かない自信もある訳だがいきなり追い立てられるというのもやはり如何なものかと思うし、そもそもごすずんがナチュラルに受け入れたから放置してたけどやっぱりそれは命の恩とかそういったモノも加味された結果な可能性もあることを考慮に入れた結果一目見ただけで害虫の如く扱われる可能性も存在することを念頭に入れておくべきだったというかやはりここは敵対していないよアピールのためにも低姿勢とかで手もみでもしておいた方がいいのだろうかという判断をするのにやぶさかではないというかぷるぷる当機わるい自動人形オートマタじゃないよぅ。


 結論から言うと微妙に泣きそうになりながら媚びるように笑顔を浮かべたという観測結果が残る。


「っ!? ベイジル君、ちょーっとお話しましょうか」


「な、なんで怒って……あ」


 こちらを向いたごすずんが何かを悟った顔になる。さもあらん、もし当機が敵対したら人類の天敵ぞ。


「ご、誤解してるっ! 何か別の事を想像してますっ!」


「何も誤解なんてしてないわよ? 幼気な少女をそんな恰好で連れまわすなんて誤解のしようがないでしょ?」


 お? 流れ変わったな。


「なぁごすずん」


「!? こんな子にご主人様なんて呼ばせるなんて、最低じゃない!」


「このぽんこつぅ! 違う、違うんです! 誤解なんです! 話せばわかる!」


 険悪な雰囲気と裏腹に、先程まで読めなかった周囲の当機への視線が現状は憐憫や同情といったモノであると認識した。


 つまり、これはバレてない? なんだよ心配させんなよ当機の優秀さが漏れ出てんのかと思ったじゃん焦ったぁ!

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