たいはいてきあともすふぃあ
あれから1時間もしない内に、荷物や獣の死体を台車に積載し終えて出発した。
最初は道と呼べるようなものもなく、ガタガタと揺らしながらベイジルでは運べない程度の重量の台車を運んでいた訳であるが。
しばらくしてようやく道のような場所に出て、舗装されていないそれをガタガタと揺らしながら台車を引っ張っていた。
当機のみであればジャンプ一回で辿り着けそうな距離をえっちらおっちらとベイジルに合わせた速度で進んでいくと。
「ふぅ……帰ってこれたかぁ」
それなりにでかい壁で囲まれた推定都市と、その周囲に広がるスラム街的なアトモスフィアを感じる場所。
「依頼を受けてたんならこの後組合に顔を出すのが普通だけど……」
言い詰まるベイジルに、なるほど依頼を受けたわけではないと理解できる。やはり盗掘だったのでは?
「先ずは肉とか皮の処理が出来る場所に行くべきではないか?」
とりあえずは腐る前に猟獲(狩りに出たわけでもないが)を処理すべきではないだろうか。
ただでさえ数時間程度は放置しているので、下手すれば傷んでいるのではないかとも思うがどうだろうか。
幸いというべきか、日が出ているといっても所詮は灰色の空。気温は割合低めというか。少なくとも炎天下などではない。
まあ氷などで冷やしている訳でもないので、ダメだったらダメだと思う。取りあえずは匂い的にまだセーフだと思う。
「あー、伝手も無いしなぁ……とりあえず、組合に持ってけば良いかな」
そういって向かう先は、割合壁に近い大きな建物であった。入り口はドアなどではなく解放されたシャッターのようなもので。
ガラガラと台車をそのまま引いて入ると、それなりに広いスペースにカウンターと職員。テーブルや張り紙などが目に入る。
『私』的に冒険者ギルド的な物を想像するかどうか微妙なラインという判定であるが、まあ建物的に近代的な部分があるし仕方ない。
テーブルに着いている幾人かは当初台車を見て、その後当機をみてぎょっとしているようだったが何故だろうか。
ふと思いつく範囲では「おうおうここはガキの来るところじゃないぜ! 帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな!」的なアレなのだが。
しかしベイジルはどうも新人というほどでもないし、そのような『テンプレ』とやらが起こり得るだろうか。
となれば別の要因なわけで……やはり、自動人形であると見る人間が見ればわかってしまうのだろうか。
なお思い出してほしいのはぽんこつソラちゃんの恰好である。
ヒント:身長とかよりもむしろ服装