✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳11︰強くなりたい✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
結構、間が空いてしまいすみません…。
ネタ探しをしてました…。
久しぶりに頑張って書きました。
千狐寺家に戻った柚月たちは、すぐに蒼葉に柧空の治療をお願いした。
柚月は、自分のせいだと自分を責めていた。
「ううっ…。くっ…。」
柚月はずっと泣いていた。
そこへ、珀空が心配になって柚月の様子を見に来ていた。
「柚月…。大丈夫かい?柧空は、こんな事で死ぬ男ではない。そこは、僕が保証する。」
「でも、私のせいで!私のせいで、柧空は、私を庇いながら戦ったから、だから、あんな大怪我を!!」
「それは、違う。柚月じゃないから。自分を責めるのはやめなよ。」
珀空は、優しく柚月にそう言った。
(珀空は、そう言ってくれてるけど、でも…。私がいなかったら、狙われることなく、私だけを連れ去りにきたんなら、私だけを狙えばいい。柧空を巻き込んでしまった…。)
自分を責め続けていた。
その表情を静かに珀空は見ていた。
部屋から、蒼葉が出てきた。
「蒼葉さん…。柧空は?」
「今は落ち着いているわ。大丈夫よ。ただの、妖力を使いすぎただけだから。」
「そう…なんですか…。でも、すごい傷でしたよ?」
「大丈夫よ。薬草でなんとか傷も治せれたから。でも、2、3日は安静よ。」
「まぁ、あれだけの傷なら仕方ないね。まぁ明日から休みだし。ゆっくり治せば大丈夫だから。」
「そうだけど…。」
「柚月ちゃん、そんなに責任を感じなくていいのよ。」
「でも…。私のせいで…。」
「大丈夫よ。安心して。」
柚月は、納得のいかないような表情をしていたが、蒼葉にそう言われて、少し責任を感じていた事が和らぐように思えた。
その夜、柚月は千狐寺家に泊まった。
柧空のことが心配になっていた。
何回も、柧空が寝ている部屋へと来ていた。
(柧空…。ごめんね…。私が…。)
そう思いながら、柧空の寝顔をじーっと見ていた。
後ろから、
「柚月。」
「はっ!?」
その声に驚いて、柚月は後ろを振り返ると、珀空がいた。
「大丈夫。柚月…。自分をまた責めていたでしょ?」
そう言われ、顔を下にうつむき、
「だって、、、。」
すると、珀空の手が優しく、柚月の顎に触れる。
下にうつ向いていた柚月の顔が、珀空の顔に近づき、唇が温かく感じる。
(えっ…。)
一瞬の事で、不意をつかれた感じがした。
「柚月…。少しは落ち着けた…かな?」
「は、珀空!?」
「だって、沈んでいる表情は、柚月には似合わないよ。だから、キス…すれば、元気になるかなー?って。」
「そ、そんな…。でも、、、。」
柚月は、ちょっぴり恥ずかしくなりながらも、嬉しくなり、珀空にニコリと笑い、
「ありがとう。」
(元気づけてくれたのね…。キス…は、ずるいかな…(恥))
そうお礼を言った柚月の顔が月明かりに光って、きれいに見えた。
珀空は、その光景をみて、また柚月の事を愛おしくも思えた。
(やっぱり、柚月には笑顔が一番だな…。可愛い…、こんなにも愛おしく思ってしまう。)
珀空は、柚月の頭をポンポンと撫でた。
―――――――次の朝。
柚月は、居間へと向かっていた。
「おはようございます。」
「おお、おはよう。柚月ちゃん。大丈夫かい?」
「はい。大丈夫です。」
「それは、よかったよ。」
皓成はニコリと微笑む。
そこへ、蒼葉が朝食を運んでくる。
「あらー。柚月ちゃん。おはよう。」
「おはようございます。昨日は…すみません…。」
「大丈夫よ。気にしないで。」
「はい…。」
「今日は忙しくなるよ。」
「忙しく?」
「そうだよ。」
「今日はあっち(妖怪界)の世界に行っていろいろと用事を済ませないといけないからね。」
「そうなんですか!でも、柧空は?」
そう柚月が驚いて言っていると、皓成が、エッヘンと言わんばかりにドヤ顔をして言った。
「それなら大丈夫だよ。妖怪界に連れて行った方が回復が早くなると思うから。」
「それを早く言ってくださいよ(汗)」
「えっへへへ。ゴメン、ゴメン。」
柚月は、胸をなでおろす。
「皓成さんったら、その大事なことを、柚月ちゃんに内緒にしていたのね。悪い人。」
「だって…、なんかあんな心配そうな顔をして、言いにくかったんだもん。」
皓成は、蒼葉にそういって、テヘペロをする。
それを見て、蒼葉は、
「そうやって、ペロって舌を出しても、可愛くないですよ?」
ムスッとした顔で蒼葉が言う。
朝食を済ませ、妖怪界へ行く準備を柚月はしていた。
それから、千狐寺一家と柚月は妖怪会へと行った。
✻ ✻ ✻
―――――妖怪界の屋敷へと着いた。
「皓成さん、お待ちしておりました。」
「いやー。狗神。久しいねぇー。」
「そんな呑気なことを言ってる場合じゃあありませんよ?聞きましたよ、柧空の事を。襲われたみたいですね。」
「あれー?情報がさすがに早いねー。」
「私の情報源をバカにしないでくださいよ。」
狗神がそう言うと、柧空の様子をみる。
「この前よりは、顔色が良くなりましたので、多分、妖怪界に来たからでしょう。」
「まぁ、妖怪は、妖怪界にいると、妖力が増しますし、回復も早くなりますからね。」
「私も、安心しました。」
柚月は、ホッとした。
それから、3日が過ぎたとき、柧空は目を覚ました。
「んっ…。うぅ…。」
「あっ、柧空!良かった…。」
柧空の視界がぼやけてる中、横で泣いている女性がいた。
だんだんと視界がはっきり見えているとき、抱きつかれた。
「本当によかった!」
その声は、柚月だった。
ずっと、付きっきりで柧空の様子を見ていたのだ。
「ゆ、づき…。心配かけたな…。」
「ううん。私のせいで、柧空がこうなっちゃったわけだし…。」
「いやっ…。俺が弱いせいだよ…。もっと、強くならないといけないんだ。」
柧空がうつむいていると、珀空が様子を見に来た。
「もう大丈夫か?だいぶ、回復したようだな。」
「あぁ…。まだ体が変な感じがするけど…。」
「そうか…。」
「兄貴…、ゴメン!俺のせいで…柚月をまた…、危険な目に合わせてしまった…。」
「お前のせいではない。そんなに自分を責めるな。お前は、柚月と一緒か?」
「えっ?」
柧空は、柚月の方を見ると、柚月は恥ずかしそうに顔を赤くして隠していた。
「そ、それは…柧空が心配で…。」
「お2人とも似たもの同士だな。」
珀空は、ニコリと笑った。
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それから、2日には柧空はすっかりよくなった。
「やっと、妖力は戻ったよ。」
「よかったよ。本当に。」
「俺…もっと強くなってみせる!」
「柧空…、無理はしないでね。」
柚月は、心配そうに言っていると、
「体の方はすっかり良くなったみたいだね。」
そこに珀空がいた。
「珀空…。いつの間に?」
「えっ?さっきだけど…?」
「兄貴、俺…、柚月を守れるくらいに強くなりたい!どうしたらいい?」
珀空は、少し悩んでいた。
「うーん…。そうだな…。あっ!心当たりはあるよ?」
「ん?」
✻ ✻ ✻
「おう、狐。どうした?」
「わざわざ、私達を呼び出して。」
「すみません…。雷華様、風華様。実は、柧空に稽古をつけてほしいのです。」
「えっ!?」
柧空と柚月は口を開けて呆然としていた。
「わかった。いいよ。強くすればいいんだろ?」
「はい。」
珀空は、ニコリと笑い、柧空に稽古をつけた。
どうだったでしょうか?
まだまだこれからです。
まだまだ続きます。