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10︰**********妖鬼、現れる**********

 次の朝、柚月が今に行くと、皆起きていた。


「おはようございます。」

「おはよう。」


皆、柚月に挨拶をして、朝食を食べていた。


「今日も行くと、あいついるんだよなぁー…。」

「颯斗さんですか?いいじゃあないですか。楽しそうで。私は嬉しいですよ?」

「俺は、嫌だよ。だってよ、一緒のクラスだし…。」

「まぁ、いいじゃないか?柚月は、僕が守っているから

さ。」

「俺が柚月を守るんだよ!はぁー…、つか、なんで、あいつ入ってきたんだよ!まったく…。」

「それはね、片時も離れず柚月ちゃんを見ていたいから

さ!」

「うげっ!?この声は、もしかして……。」

「やー!おはようございます。いい朝ですねー。

あっ、柚月ちゃん今日も可愛いですよ。」

「颯斗さん!?お、おはようございます。」


 突然、颯斗が現れた。


「なんで、颯斗がここにいるんだよ!」

「それは…。柚月ちゃんに早く会いたいからさ。」


柚月に触れようとすると、


――――――パシッ!


「僕の柚月なんだけど?」


凄い目で珀空は、颯斗に睨み付けた。


「怖い顔しないでよ。ただ、一緒に行きたいだけなんだ

よ。」

「でも、その顔には、変態なことをしようとしている

と、顔に書いてありますよ?」

「うそーん!?なわけないでしょ?」

「お前、柚月に会ったあのとき、柚月に何かしようとし

ただろ?分かってんだからな!?」

「そんな!?人聞きの悪い…。」

「あの、みなさん私を巡って喧嘩をやめてください!」

「あらー、お決まり文句?

ワクワクするねー。」


 はしっこで見ていた皓成が、ニヤニヤしながら、その光景を見ていた。

「あ・な・たー?何見てらっしゃるのー?」

「ヒィッ!な、な、なんでもないよ?」

「そうですかー?」


蒼葉の顔は、鬼のようで怖かった。


 4人は、千狐寺を出て学校に向かっていた。

「柚月ちゃーん!」

「触るな!この烏目!僕の柚月を触ろうとするんじゃない!」

「兄貴、このアホは俺が見ておくから!」

(兄貴に負ける…。)


柧空は焦っていた。

珀空に、柚月をとられそうでどうすれば柚月を振り向かせることができるのか考えていた。

いつも、珀空に邪魔をされる。

邪魔をされないようにするにはどうしたらいいかと考えていた。

チャンスをうかがっていた。











「えーん!柚月ちゃーん、、、」

「おい!颯斗行くぞ!」

「颯斗さんまた後でです。」

「柚月、この方に近寄らない方がいいですよ?

いつ、柚月を食べられるか分かりませんからね!」

「そんなこと言わなくても…。」

「さぁ、行きましょう。」

「柚月ちゃん、また後でねー。」


 颯斗は、柧空に引きずられていきながらも教室に行く途中に、颯斗は柧空に、


「柧空、早く柚月に何かアピールをしないと、全部良い

ところは珀空にとられていってる。」

「そんなこと!そんなこと…わかってるよ…。

俺だって…柚月に…柚月のことが好きなんだ…。でも、伝えたって何も思わなかったら?

こんなに好きなのに…、全部、兄貴にとられるんだ

よ。タイミングをみて、柚月と2人のときにアピールをしたいと思ってるけど…、兄貴がいつ見ても隣にいるん

だ…。」

「恋の悩みですねー。僕はそういうの好きですよ?

恋バナ的なことが…。お手伝いをしましょうか?」

「いいよ。お前がいると、ろくなことにはならないから

な!」

「そんな…。」


颯斗は、がっかりしながらも教室についた。

それぞれの席についたときに先生が入ってきた。


(柧空の手助けって訳にもいかないけどね…。)


颯斗はそう思い、柧空と柚月が2人きりなるようにと考えていた。



――――――その放課後。


「珀空ー。あれ?柚月ちゃんは?」


颯斗は、ホームルームが終わって、珀空を呼んでいた。


「さっき、先生に呼ばれて職員室に行ってたよ?

どうかしたの?」

「いやーさっき、柚月ちゃんと会ってね。珀空は、先に帰ってるようにって言ってたよ?」

「でも、こないだのこともあるし…。」

「大丈夫だよ。あれで、妖怪は出てきてないし、それに

僕たちがいるので、問題はないでしょう。ねっ?

それに、一人で帰るのが寂しいのですー。」

「知りませんよー。」


 颯斗は、珀空にそう言いながらも、腕を引っ張って家まで帰っていった。


「やれやれ…。疲れた…。家に帰らないと……。」


柚月は、先生に頼まれ事を頼まれてしていた。

やっと終わったところだった。

教室にはいると、柧空がいた。

教室で2人きり、少し柚月は緊張していた。


「ど、どうしたのです?皆さんは?」

「先に帰ったんだろう…。」

「待っててくださったのですか?」

「あぁ…。」

「ありがとうございます。」

「あ、あのさ…柚月…。」

「どうしたのですか?」


 柚月は、鞄に荷物をいれていたところを呼ばれて、振り向くと、唇に何か熱いものを感じた。

少し時間がたったとき、柚月は、顔を赤くした。


(ちょ、ちょっと…。)


とっさに、柚月は柧空から離れた。


――――――バッ!!


「な、な、何を!?」

「べ、別に…。あ、あのさ、兄貴の事好きなのか?」

「えっ?どうしてそんなことを?」

「いやっ、好きなのかなと思って…。俺は、お前のことが好きなんだ!!だから、兄貴よりも俺のことを見てほしいんだ!

俺にまだまだ、兄貴に勝っていないところもある!

でも、いつかお前を振り向かせれるようにしてや

る!!」

「まだ、どっちが好きだなんて…、わ、私、決めてない!決めれませんよ!だって、どっちも好きなんですも

ん!だから、まだまだ時間がかかります…。」

「それでもいんだ…。ゆっくりでいい…。でも、俺もこれからは遠慮なく、柚月のこと、兄貴に負けないように頑張るから!」

「はい…。」

 

 2人はそう言って、教室を後にした。

でも、柚月の中で、さっきの柧空とキスをしたことを、思い出すと自然と顔が赤くなる。


(2人とも私のために頑張って妖怪から守ってくれて

る…。いつかは、答えを見つけないと…。)


 柚月の心の中で、迷いがあった。

いつか、どちらかと結婚することを…。









――――――――――その帰り道。

 少し日も長くなる頃、妖怪たちが活発になる。


「柚月、妖怪が出てきたら俺が守ってやるから!」

「はい。ありがとうございます。この時間になると、妖怪たちが出てきやすくなるんですよね?」

「あぁ、まぁ少し俺の殺気を出してるから、まず、弱い

妖怪は襲ってこないだろう…。だが、いつ襲われてもお

かしくないからな。」


すると、人があまり通らないところで、



―――――――ゴゴゴー!!


「…っ!」


柧空は、すかさず柚月を抱き上げ避けた。

何回も攻撃を受けた。


「な、なんだ!」

(ちっ…!この雷は…蕾華とは違う!)

「さすが、千狐寺家の狐だな!あの、攻撃を避けると

は…。」

「誰だ!?」

「我が名は、雷使いの『琴鬼』(きんき)。鬼樹院家につ

かえるもの。お前たちを殺しに来た!」

 

そこには、鬼のお面をかぶっている女性がいた。

柧空は、妖怪の姿に変化(へんげ)をした。


(ここでは、災害になってもいけない!まずは、ここから遠ざけないと…!)


 柧空は、そう思い、柚月をお姫様抱っこをして、民家から離れた。


「待て!狐!逃げるというのか!?」

「うそっ!」


 攻撃をされる中、柧空はその攻撃を避けながら、どうにか人目につかないところまで来ていた。


「なぜ、狙う!?何が目的だ?」

「その人間を殺せと命じられたのでな…。来たんだよ。」

「な、なんだと…。」

「なんで…私を…。」

「お前が目障りなんだよ!!」


琴鬼は、攻撃をしてきた。

柧空は、とっさに避けた。


――――――ゴゴゴゴー!

――――――ドカーーーーン!!


「なんて威力だ!」

「よそ見をするなー!!」

「…っ!」


かかと蹴りをしてきた。


「くっ…ぐぁ!」

「柧空!」


地面に叩きつけられた。

柧空は、柚月をかばうために下敷きなっていた。


「くはっ…!」

「こ、柧空!大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ…。これくらいはな…!」

「ご、ごめんなさい…。私のせいで…。」

「違う!お前のせいじゃない!いいか、ちゃんと聞けよ!

お前のことは俺がぜってー守ってやる!!この命にかえてでもだ!」

(俺が死んだって…。兄貴が…幸せにしてくれる…。)

「柚月、安全な所に隠れていろ。あいつを倒してやる!」

「う、うん…。」


 柚月は、森の中の木の後ろに隠れた。


「琴鬼!お前をぶっ倒す!!」

「フン!お前にそんなことができるのか?私の早さには勝てないだろ?」

「それは、どうかな?」


柧空の妖力が上がった。


(いっき、気配も、妖力が上がった?なぜだ…。)


――――――シュン!


「…っ!?」

「誰が早さには勝てないって?」


柧空は、あっという間に琴鬼の後ろをついた。


―――――ボウーーー!!


「うわーーー!!」


隙をつかれた琴鬼は、柧空の狐火をうけた。


「俺をなめんなよ!」

「くっ……。」


琴鬼は、柧空の攻撃を受け、ほとんど動けなかった。


(こ、これが、九尾一族の力か…。くそっ!!

本気を出したら、こんなにも強いのか!!あいつらを連れてくればよかったな…。)

「あんな大口をたたいておいて、これでおしまいか?」

「く、くそっ!九尾はこんなに強いというのか!それなら…!」


琴鬼は、また攻撃をしかけてきた。


「私をなめるなー!!」


琴鬼の雷のボールのようなものが、降り注ぐ。

柧空は、かわしながら攻撃を続けていた。


「この!!」


 その様子を見ていた柚月は、密かに珀空に連絡をとっていた。


(柧空…。大丈夫かなー?早く来て…。珀空…。)

「うわー!」


琴鬼が、柧空の攻撃をうけ、地面に叩きつけられた。


「九尾のやつがこれまでとは…。」

「もう降参した方がいいのではないか?このままだと、お前を殺しそうだよ…。

いくら、女性でも俺は甘くないぞ?柚月を一生守ると誓ったんだからな!」

「くそっ…。ふっ…フハハハハ…!それで、勝ったつもり

か?はーーー!?雷風暴(らいふうばく)!!」


琴鬼は、また膨大な攻撃をしてきた。


(まだ、やれるのか…。)

「柧空!!」

「うわっ!?」


柧空が、琴鬼の攻撃を受けてしまい、地面に落ちていった。


「ハッハッハー!!女だと思って甘く見すぎなのだ

よ。」

「くっ!くそっ…。」

「柧空!大丈夫?」

「ば、バカ!きちゃあいけねぇー!あぶねーぞ!!」

「だって、柧空が!柧空が、私を守るだけで、死んじゃ

うのは嫌なんだもん!!」

「まったく…、お前ってやつは…。俺が…負けるかよ!?」


柧空は、自力で立ち上がり、妖力を高めた。


(また!なんだ?この力は…、どうして?)

「俺をなめてるだろ…?妖狐をなめてもらっては困るのでな!」


琴鬼に、柧空は向かっていった。

お互い激しい戦いがまた始まった。

お互いの妖力はおそらく、ギリギリのところだっただろう。


「くっ…。はぁーはぁーはぁー…。」

(つ、強い…。妖力がそろそろやばいなぁ…。)

 

琴鬼がそう思っていると、


「よそ見をするなー!!」

「ぐはっ!!」


琴鬼のお腹に柧空の蹴りが入り、地面に叩きつけられた。


(早く帰ってくれねーかな…。くっ…。妖力が…。最初にとばしすぎたか…。)


どちらも、フラフラになっていた。


「うっ…。」

「くそっ…。」


とその時、


―――――――――――ゴロゴロゴロゴロドカーーーーン!!


大きな雷が柧空目掛けて落ちてきた。


(や、やべぇ…。よけれねー…。)

「柧空ぅーーーーーーーーーーー!!」


その瞬間、柚月は柧空に駆け寄った。


「き、狐め…。し、痺れて…死ねぇー!」

「ゆ、柚月!あ、あぶねー…!?」


―――――――――――ドカーーーーーーーーーーーーン!!


「やったか?」

「水鬼!楓鬼!」

「琴鬼!お前なんで、先に行ってるんだよ!鷙葵様に怒られるぞ!!」

「くっ!」

「なんちゅう様だよ…。」

「あ、あいつは…?」

 3人は、柚月たちの方を見た。

すると、煙の中から現れたのは、、、、


「まったく…。柧空には、世話が妬けますね…。」


珀空の姿があった。


「珀空!!」

「あ、兄貴…。」

「大丈夫か?柚月。柧空も、よく頑張ったな。」

「兄貴…。くっ…。」

 

柧空は、最後の力を振り絞り、立ち上がった。

琴鬼たちを威嚇をした。


「弟が世話になったようですね。何用ですか?いきなり、攻撃を仕掛けてきたのは、あなたの方ですね、琴鬼!」

「うっ…くっ!」

「あたしたちの琴鬼が失礼した。また、来るとしよう…。」

「そうですね…。楓鬼。」

「待て!まだ終わりじゃない!うぅ…。」

「そんな怪我で、戦っても目に見えてますよ?

今は、我慢をしないと琴鬼、あんた死ぬよ?」

「くっ!くそっ…。うっ…。」


琴鬼は、楓鬼たちに抱き抱えられ、柚月たちから姿を消した。


「まったく、妖気が強いのを感じてきてみれば…。」

「すまない…。また、柚月を危険な目にあわせてしまっ

た…。」

「柧空…。」

「うっ…。」

「あっ!?柧空!」


 柚月が、倒れる柧空をみて、びっくりして言った。

珀空は、倒れそうになっている柧空を受け止めた。


「柧空…。やっぱり、ギリギリだったんじゃないか?」

「あ、兄貴、すまねぇ…。」

「大丈夫だ。安心して寝ていなさい。」


珀空がそういうと、柧空は落ち着いたのか眠りについた。


「柧空…。ごめんなさい…。」

「柚月、よかった。無事で…。柧空がいなかったら、柚月は死んでいただろうね。」

「そ、そんな!」

「また、狙われる恐れがある。大丈夫だよ。守ってあげるから。」

「珀空…。ありがとう。」


珀空は、柧空を抱き上げ、千狐寺家に戻った。

たくさんの妖怪達が出てきます。

楽しみにしてください。

まだまだまだ続きます。

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