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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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マサムネの賭け

「…という訳で、私達を導いてくださったのは紛れもなく、我が敬愛するソーディア国王でした。

世界最強の軍隊、ソーディア王の教え、それから…」僕はナギさんの表情かおを見た…ナギさんは僕を見て微笑んでいる…


「…自分達の大切な存在を守っていくという信念の三つがソーディア国をこれから更に発展、強固な国家にしていくと思います。

ジュエラ王国の王族の一員として更なるソーディアの繁栄をお祈りしております…」


パチパチパチパチ…まばらな拍手が僕の今の立場を物語っている…人間の僕がいくら国王様の信頼を得ていても国民の声はまた違っている…

それはジュエラに於いても同じ事である…


国王職の王女の夫…王族としては認められたがティナがもし、立派な地位の魔法使いの旦那様と結婚していたらこんな事にはならないだろう…でも今更そんな事で自分を卑下しても仕方ない…これからも僕は胸を張って人間として魔界の王女と結婚したんだと皆の前に出て行こう…


「そうじゃ…優也…理解せぬ者を気にする事はない…お主の信念を貫くのじゃ…」

心から信頼するヴァルの言葉が胸にしみる…


すると…ソーディア国王から更に国中を震撼させる発表があった。

「皆の者…よく聞いてほしい…私はもう高齢じゃ…我が子に国王の座を譲ろうと思う…」


王のその言葉に国民の反応は様々だった…


現国王の能力を高く評価し、引退を惜しむ声…同じようにムラサメ王子の武力を高く評価する…主に兵士達が支持する声…しかし皆、ソーディアを支えている武力の高さを維持出来るのかという一点の関心については共通していた。

しかし更に続けたソーディア王の言葉を聞いていた全ての人々が耳を疑った…


「これより我がソーディア王国は娘のナギが国民の皆を率いていくことになった…

皆の者…我が娘をよろしく頼む…」

ソーディア国王は皆の前で胸に手を当てて深々と頭を下げられた。


すると甲冑を着た一人の衛兵が国王の前に跪いた。「私はソーディア王国衛兵一番隊隊長のレーヴァと申します…恐れながら…国王様に進言したい事がございます…」

レーヴァに向かってムラサメは「国王の御前で無礼であるぞ!下がるがよい!」と刀に手をかけて制した…


しかし国王は「良いのじゃ。ムラサメ…レーヴァとやら…申してみよ…」「はっ!国王様…国民は皆、ムラサメ様の即位を望んでいます…どうか今一度御一考頂けないでしょうか?」「ふむ…国民が皆望んでおるとな…

レーヴァよ…ではムラサメを王に推して何を望むというのじゃ…」


「大変失礼ながら…姫様では我がソーディア王国を守りきれるとはどうしても思えません…我等も自分自身が命を預けるからには一騎当千のムラサメ王子と姫様では…少し無理がございます…」「では、お主はナギには国を守る力がないと申すか…」「私だけではございません…ソーディア国民の総意だと思っております…」


「あいわかった…それではナギとレーヴァ…お主達が真剣勝負で仕合うが良い…お主が勝ったら考えてやっても良いぞ…」


…僕は初めてソーディア王のお考えが分からなかった…いくらナギさんでも衛兵の一番隊と言えば国一番の強さを誇る兵士である…


ナギさんは準備をすると言われて、その場を退席された…試合は一時間後…兵士の訓練場で行われる。全世界に中継が配信されるらしい…


僕は黙ってこの闘いの行方を見守るしか無かった…

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