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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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幼き日の姉弟

「パルテ!パルテはいるか?」エクスは激昂しながら城の中を探した…

「どうした…私はここだが…」パルテが姿を見せた次の瞬間…エクスはパルテの胸ぐらを掴んだ…「そなたの未来眼とは違ったぞ。何故、ジュエラの王女達がソーディアに…」


パルテはエクスの手を払いのけて「フン!そなた真っ直ぐ国王の元に向かったのか?」「いや、途中でソーディア王子と戦闘に…」「バカ者!未来はちょっとした事で変わっていく…時系列に影響を与えないようにするのは常識ではないか!」「何だと…」


「まあまあ…お二方…如何でしょう…ここは私が用意させて頂いた秘密兵器を出そうと思うのですが…ただ召喚にはお二人が持っておられる強大な魔法力が必要なのです…ご協力頂けますでしょうか?」イミテの言葉に落ちつきを取り戻し、二人は頷いた…


ティナにソーディア王に付いていて貰ってナギさんと僕はムラサメを探して森の奥へと歩みを進めた…両手に刀を持った彼は一の太刀で太い幹の木を切り裂いて二の太刀で枝を落とす訓練をしていた…」


「…何しに来たんや?まさか兄ちゃんが姉ちゃんと一緒になってソーディアを守ってくれるんか?そんならええわ…兄ちゃんは父ちゃんの折り紙付きやしな…」


「そんな事しないさ…」「なんやて?」「この様子じゃソーディアはもうすぐ陥落する…そんな弱々しい王子と優しいだけの王女しかいないこの国はな…そうなったらオレがソーディア王の意志を継いで奴等と闘う…そしてこの国をジュエラの支配下にしてお前達は家来にするだろうな…まあ、悪く思うなよ…」


「貴様ぁ…人間のくせに言わせておけば…」

優也とムラサメは対峙する…しかし、何故か

ナギはそれを止めようとはせずうつむいて黙っている。


優也はヴァルプルギスモードになった…

そのタキシード姿と紅い瞳にムラサメとナギは驚いた…

優也は自分の周りにバリヤーを張った…そしてムラサメに攻撃魔法を放った…


ムラサメは優也の攻撃魔法を刀でいなして斬りかかる…しかしバリヤーに阻まれてその刃が通る事は無かった…「マズい!いつも通りや…ここからジリジリと…」


「ナギ…!」「はっ…はい!」「このままだとムラサメはオレにやられるのを待つのみだ…お前はそれでもいいのか?思い出せ!幼い日にムラサメと過ごした日を…!」




ナギは幼い日草原をムラサメと二人で駆けていたのを思い出した。「ねーちゃーん!まってーな!あっ!」転んだムラサメに「うふふ…ムラサメ…けがはなかった?」「ちょっとヒザをすりむいたわ!」「しょーがないわね…ほら!」ナギはムラサメをおぶって夕焼けの中を王宮に帰る…「おねーちゃんがずっとムラサメをまもってあげるからね…」




「リーファ!」ナギは優也のバリヤーに対して周りの木々の葉を全て刃と変えた…葉の刃は優也のバリヤーにくさびのように打ち込まれた…「ムラサメ…今よ!」「うぉぉぉぉぉ!」


一の太刀の一振りが真空波となり、楔を更に打ち込んだ…優也のバリヤーは崩れ去り…二の太刀の真空波が優也を狙う…「くっ!クロノ…」時間を止めてなんとか刃をかわした…

一気に魔法力を消費した優也は元の姿に戻り、地面に膝をついた…「くっ!」


「そら、もう一発やで!」「やめて…ムラサメ…優也さんは全部…全部分かってあなたを…」ナギはそう言って泣き出してしまった…「姉ちゃん…」


ナギは優也の言葉が全部偽りだとムラサメに明かした…「なんや、そしたら兄ちゃんはワイと姉ちゃんが協力してソーディアを守るように…」「はぁ…はぁ…僕は国王様に少しずつでもご恩返ししないと…でも、最終的にこの国を守っていくのは君達、姉弟だからね…

国王様もきっと君達が手を取り合って国を守って行くのを望んでおられるはずだよ…」


「おっ!なんや兄ちゃん…さっきは姉ちゃんの事、呼び捨てにして、えらいワイルドになったと思ったけどやっぱり優しい男やな…ワッハッハッハッ!」


「私もビックリしました…あんな男っぽい優也さん初めて…私の事をお前って…嬉しかった…まだドキドキしてます…」


「いや、その…あれは…そういうつもりじゃなくて…」


真っ赤になる二人を見て高らかに笑うムラサメの声が森に響いていた…


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