何でだろう?
そして一年が過ぎ…
僕達は引っ越しの準備で大忙しだった…
「これで大体荷物はまとまったわね…」
「君はしばらくゆっくり休んでなよ。僕が少しずつ運ぶからさ…」
「ありがとう…ダーリン!!でもダーリンと一緒が嬉しいわ…」
「あはは…そのダーリンって呼び方…
嬉しいんだけどちょっと恥ずかしいよ…」
「あら…いいじゃない!!
だって…私の大切な旦那様だもの…」
そう…僕とプラティナは、先月めでたくゴールインしたのであった…
近くの教会で二人きりで結婚式を挙げると、その後に
小さなレストランでささやかなパーティーを…
披露宴として両親と友人やお世話になっている身近な人達を招待した…
それでも僕達は世界一幸せな二人になれた。
プラティナの周りの人達に出席して貰えなかったのが残念だけど…節約した分、これからの生活にお金を残そうと二人で相談したのであった。
「でも…本当に不思議だわ?」
「どうしたんだい?」
「私ね、小さい頃から人間とは交わっちゃダメだって…残酷で自分の事しか考えない種族だって教えられてたから…
こっちの世界に逃げてきたけど、人間って怖いからあまり関わらないようにしようと思ってたの。
でもね…優也さんの周りの人達には優しい方々しか居られないじゃない。何で仲良く出来ないのでしょうね…?」
「うーん…でも、お互いに分かり合えるまできちんと話し合っていないような気もするね。」
「そうなのかしら…なんか勿体無い感じがするわ…」
ティナと話しているとインターホンが鳴った…
「はーい!」ティナがドアを開けると管理人さんが立っておられた。
「こんにちは…今日、引っ越しだったね…」
「ええ…これからもよろしくお願いします。」
「でも嬉しいわ。貴方達が居なくなったら寂しいもの…」
そう…実は僕達は同じマンションの上階のもう少し広い部屋に引っ越すことにしたのだった…
「ティナがどうしても管理人さんと離れたくないそうで…お母さんのような人だからって…」
管理人さんは微笑まれて…
「私も…ティナちゃんの事、自分の娘だと思ってるよ。
優也さん!!あんたも大事な息子だよ…
だから早く私に孫の顔を見せておくれよ…うふふふ…」
愛情たっぷりの温かい言葉にみんな自然と笑顔が溢れた
そして…それからすぐにその管理人さんの願いは叶う事となった…