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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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溢れる力と限りない叡智

風に舞い散る粒子の光はヴァルプルギスの魂の光だった…涙を流している優也を見下ろして彼女は思った…「優也…わらわは感謝しておるぞよ…」


そして空を見上げた…すると目の前にもう一人の彼女が現れた…「…迎えに来てくれたのか…」もう一人の彼女…ヴァルプルガは首を横に振った…「お主には未練がある…未練のある者を冥界にはつれてはいけん…しかし、もうお主の未練は欲望ではない…純粋な愛じゃ…その尊い愛情で今、しばらく正しい心で魔界を支える奴等に力を貸してやったらどうだ?但し、そなたの力を求められた時だけじゃぞ。

我等はもうこの世には居らん。あまり深く関わると今度は本当にこの世から消えてしまうからの。肝に命じておくのじゃ。」「ヴァルプルガ…」


「ハッハッハッ…これで邪魔者は居なくなったわ…残りの者なら精霊も含めて私の敵ではない…束になってかかって来い!」

ダイナはヴァルのようにバリヤーを張り、こちらに矢継ぎ早に攻撃してくる…


みんなは涙を拭う間も無くダイナの攻撃に備える…お義父さんでさえも唇を噛んで「くっ…奴等に匹敵する魔法力の持ち主はもう居らんわい…このワシでさえも…」


「ほれ、随分苦戦しておるようじゃ…早く行ってやらんか…私達は姉妹みたいなものじゃからの…お主の考えておる事など手に取るように理解わかるわ!…」「ヴァルプルガよ…」「何じゃ?」「わらわが姉じゃからの!…」


「邪魔じゃ…犬コロめ…」「くそっ!何て奴だ…」フェンリルの牙もダイナのバリヤーを貫くことが出来ない…「何とかあのバリヤーを破らないと…」


「こりゃ、そなた達は何をやっているのじゃ…これでは魔界の将来はまだまだ任せておけんぞ…」優也は頭の中に響いた声に驚いた。「ヴァル?…生きてたんだね…良かった…」「わらわの肉体は滅びた…しかし…魂は永遠に生きておるぞ…これからは優也…わらわは愛するそなたの中で生きるぞよ…」


「僕の中で?」「そうじゃ…」僕の周りに光の粒子が渦巻いて身体の中に入ってくる…

溢れる力と限りない叡知が僕の中に満ちる…頭の中にヴァルの声が聞こえる…


「わらわは優也…お主の守護霊となったのじゃ… 感謝するのじゃぞ…わらわのような英霊が守護霊なぞ…高僧でもなかなかおらんぞよ…さあ…願うのじゃ…わらわと一つになる事を…」


「ヴァルと一つに…」僕は想像して赤面してしまった…「そうではない!優也…まあお主も男だからの…わらわの力を求めるのじゃ…」


みんなを守るための力…ヴァル…力を貸して欲しい…


そう願うと僕の身体はまた光の粒子に包まれた…「婿殿…」「ダーリン!」


「独り言をゴチャゴチャ言ってるようだが、もう終わりにしていいのか?遠慮なく行かせてもらうぞ…」


優也を包んでいた光の粒子はまた彼の身体の中に吸収されてみんなの前に現れた優也に誰もが驚いた…







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