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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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最期のレガシー

ガキッ!槍は宙で止まった…光が槍を包み込んだ…やがてその光は見覚えのある形に姿を変える…


「おい!よくもオレのダチに酷いことをしてくれたな…オレが相手になってやるぜ!」

「お、お前はオオカミの精霊…」「優也よ…その精霊…っての恥ずかしいからヤメてくれないか?オレにはフェンリルって名があるんだよ…」「ゴメンよ…フェンリル…ありがとう!」


「はぁ…はぁ…優也…お主…精霊まで使えるのか?…恐れ入ったわ!…ますますわらわのパートナーに相応しい男よ!」

「使えるって…いつも助けてもらってるだけだよ…それよりヴァル…もう横になっていなきゃ…」「大丈夫じゃ…わらわはなんとしても褒美が欲しいからのう…」

ヴァルプルギスは呼吸を整えた…


「ダーリン!危ない!」ティナの声が響く…ダイナの槍が止められている隙からエクスとパルテが僕達に襲い掛かって来た…


ヴァルは僕を庇って前に出る…もう立っているのがやっとの状態で両手に風の渦を宿す…「これがわらわの最期のチカラよ…行けえ!…サイクロォォ!」ヴァルの両手の渦は瞬く間に極大の渦となってエクスとパルテを吹き飛ばした…


「うわぁぁぁぁっ!」ヴァルがその場に崩れ落ちた。僕はヴァルを抱き止めた…「ヴァル…大丈夫か?」僕は目を大きく見開いた…

ヴァルの両腕が透き通って見える…

「ヴァル…」「気にするでない…優也…わらわはこういう運命だったのじゃ…自分の運命に逆らうという…正に天邪鬼あまのじゃくなわらわに相応しい最期よのう…ホホホ…」闘いの行方を見守っていたゴルドとプラティナも思わず駆け寄った…


「師匠!しっかりして下さい!」「おお…ゴルドか…どうじゃ…最後のレガシーの魔法はなかなかだったじゃろ?」「…はい…幼い頃を思い出しましたぞ…」「…懐かしいのう…ゴホッ!」僕の腕の中でヴァルの姿がだんだんと薄れていく…


「優也…お前に出会えて良かった…これからもずっとお前を愛しておるからの…側で見守っていくぞよ…」「ヴァル…」僕もティナも涙が溢れた…お義父さんも背中を向けている…


僕の腕の中からヴァルは光の粒子となって風に乗って空へと舞い上がった…

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