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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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何か縛るものを…

プラティナがヴァルプルギスの居城に足を踏み入れた瞬間、彼女は急に力が抜けていくのを感じた…「きゃあぁぁぁぁ!」床の仕掛けが彼女の魔法力を吸い取ってしまった…


「い…行かなきゃ…」プラティナは魔法力が空っぽになった、ただのか弱い女性のままで優也とヴァルプルギスのいるフロアまで螺旋階段を駆け上がった…





「ヴァル…しっかりして…」「…優也…そなたはまたわらわを助けたな…どうしてじゃ?わらわが居なくなったらそなた達には都合が良いであろう…」「…応えられないとしても自分をパートナーにしたいと言ってくれる人を死なせる訳にはいかないよ…」「…わらわはあの女が羨ましいぞよ…わらわもそんなに愛されたい…」そう言ってヴァルプルギスの意識は遠のいて行った…意識を失ったヴァルプルギスの腕を掴んでいる優也の握力はとうに限界を超えていた…



「ダーリン!」「ティナ!す、すまない…彼女を魔法で引き上げてくれないか?」

「そ、それが…今、私の魔法力はゼロになっちゃったの…」「そ、そうか…じゃあせめて僕の手と彼女の手を縛ってくれないか…腕の力が限界なんだ…このままだと…」「分かったわ!」プラティナは辺りを見回した…そしてバルコニーの窓の横のカーテンを引っ張った…しかし、カーテンはビクともせず、辺りを見回しても優也の手を縛れる物は何も無かった…」「くっ…も、もう限界だ…」「ど、どうしよう…ダーリン!そ、そうだ!えーい!もうこれしかないよ!」


プラティナは優也の目の前で穿いていた黒のストッキングを脱ぎ始めた…「テ、ティナ…何を…」「あーん!もうこれしか思い浮かばないんだよ…」「じゃあ…ティナ…両足を少し引っ張ってくれないか…」


足を引っ張ってもらってなんとか僕は少しだけヴァルを引き上げて…ティナに彼女と自分の手を縛ってもらった…ティナの温もりが手から伝わる…ふとティナの足を見て思わず赤面してしまった…


ティナはそれに気づいて「ダーリン!今…私の事考えてた?あーん!嬉しいけど…今は彼女を助けるのが先だよ!」そ、そうだった!ティナと二人がかりで一生懸命ヴァルを引き上げる…


「はぁ…はぁ…」やがて僕とティナはヴァルを引き上げた後、一部が崩れ落ちて残ったバルコニーの部分で精も根も疲れ果ててしばらく横たわった…

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