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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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瞳の奥の悲しみ

プラティナ達はシルヴァの瞬間移動で先ずはヨーロッパ…ドイツの郊外の森に飛んだ…


そこからシルヴァは小さな鎖の先に尖った宝石を付けたペンデュラムを地図の上に吊るした…魔法力を送ってペンデュラムが動き始める…やがて尖った部分が示したのはある有名な修道院だった…「ここだわ!ここにそのヴァルプルギスが眠っているのよ…」「こりゃ、ティナ!仮にもワシの師匠を呼び捨てにするでない…それにワシの師匠はヴァルプルギスという名前ではないぞ…」「えっ…じゃあ先生のお名前は…」「…魔導師ヴァルプルガじゃ!」「ヴァルプルガ…先生…」「そうじゃ…先生は黒魔法だけではなく、白魔法も一級品じゃった…人々の為になりたいと修道院に入られたと思っていたのじゃが…」


「とにかくそのヴァルプルガ先生に伺ってみましょうよ…話はそれからだわ!」


ティナは全員と目的の修道院へ向かった…



その頃…優也はソファーにかけながらじっとヴァルプルギスの様子を見ていた…彼女も同じように優也を見つめる…「どうしたのじゃ?どうしてもあの女の所へ帰りたいのか…では、良いぞ…帰って来るがよい…」「いいえ…しばらくここにいます…」ヴァルプルギスは驚いて「お主は帰りたいのでは無かったのか?」と優也に訊いた…


「妻や子供に会いたいけど…貴女も寂しそうだから…」ヴァルプルギスはビックリして「わ、わらわにそんな事を言った奴は初めてじゃ…そなたはわらわが怖くないのかえ?わらわはこの世界を征服すると言っておるのじゃぞ…」「…僕はあなたにここに連れて来られてから何一つ酷いことはされてませんよ…それどころか大切に扱って貰ってます…あなたは優しい人です。世界征服なんてやめませんか?…」


ヴァルプルギスは動揺の色が隠せない…

「ええい!うるさい!わらわを見損なうでない!」彼女は怒ったような表情で優也にいきなり口づけた。優也はソファーに押し倒されて彼女の攻撃的なキスに驚いたが、やがて目を閉じて彼女を抱きしめる…「ヴァル…」

優也の愛情のこもった口づけに彼女は「お、お主は…こんなわらわでも…ええい!離せ、離さんか!」急にヴァルプルギスは優也から離れた…


「わらわはお主を利用しているに過ぎないのじゃ…」そう言うとヴァルプルギスはバルコニーの方に歩み寄り…「はぁっ!」空に向かって凄いエネルギーの魔法を放った…


「はぁ…はぁ…このエネルギーはさっきの口づけでお主から頂いたマイナス因子とわらわの因子の結合結果じゃ…つまりお主は利用価値があるから連れてきたのよ…」「……」


優也は何も言わずにただ、じっとバルコニーから空を見上げる悲しそうなヴァルを見つめていた…

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