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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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僕のお嫁さんへ

小さな光…精霊の集まりは真っ白なオオカミの姿に変わった…「そうか!友達ってエメラルダの森の…」


「ゆ、優也くんも精霊を使えるなんて…」

アイはガックリとうなだれた…戦意を無くしたのが精霊にも伝わったのだろうか…紫のキツネはみるみるうちに光の粒に変わって姿を消していった…



「完敗ね…私の負けだわ…」「負け?一体君は誰に負けたの?」「そんなの決まってるじゃない!あなたやティナさん…ソーディアやあなたの味方をした精霊…!」アイはハッとして驚きを見せた…


「そう…君は凄い…これだけ多くの助けが無ければ僕はとうの昔に君やミラールの言いなりにならざるを得なかった…僕が僕の信念を曲げずに貫けたのはみんなの助けのおかげなんだよ…


君の未来眼の能力は凄いよ…でもさ、時には自分の意思でやりたいようにやって、困ったら仲間に頼ってみたら…それに君に頼りたい人だってミラールだけじゃなくてジュエラやソーディアにも沢山いると思うよ…


君への信頼は自分自身で積み立てていくものだと僕は思うよ…」


その場にいる全ての人が優也の言葉に頷いた…「わ、私も貴方やティナさんを頼れる資格があるのかしら…」「勿論だよ…困った事があったら僕の妻に…だってティナはジュエラ王女で国王職だからね…」


プラティナはゴルドに耳打ちした…

「ねぇ、お父様…私より国王に相応しい方…おられますわね…」そう言って彼女は笑った…「そうじゃのう…ワシは人間の事をあれほど嫌っていた自分が今では信じられんわい!本当にお前は凄い男を捕まえたのう…ティナよ!」ゴルドのその言葉にプラティナは笑顔で頷いた…「はい!お父様!」




一先ずジュエラ王宮に帰った僕達はティナやお義父さんの計らいでゆっくり休む事が出来た…僕はナギさんが見つけてくれたタイムカプセルの中から一通の手紙を取り出した…


「ティナ…」「…なあに?ダーリン!」「これを受け取ってくれないかな?僕が高校生の時に書いたものなんだけど…」


ティナは手紙を広げた…







僕のお嫁さんへ


遠く高い空の向こうに僕と赤い糸で繋がっているあなたは今、何をしてるのでしょうか?


僕は自分のように何も取り柄がない人間が果たして結婚してもらえるのだろうかと心配になる時があります。


だから今、あなたと結婚して幸せな家庭を築いていたらあなたに言いたい事があります。


僕と結婚してくれて本当にありがとう。

そして僕と結婚して幸せになると信じてくれてありがとう。


僕はあなたに感謝をする事しか出来なくて

その感謝のお礼に必ずあなたを幸せに出来るように頑張ります。


ずっと永遠にあなたと一緒にいられますように…




真っ直ぐな優也の気持ちのこもった一言一言に

涙が一粒…二粒…手紙の上に落ちて文字を滲ませる…

それ以前にプラティナは溢れてくる涙でもう手紙を読む事が出来なかった…


ティナが僕の胸に飛び込んできてくれた…

僕はティナを思いきり抱きしめて「あの時、僕が空に向かって思い浮かべていた女性ひとは、君だったんだね…ティナ…」


ティナは涙を浮かべたまま笑顔で大きく頷いた…




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