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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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ユーモアのセンス

「この中に確か…」ソーディア王宮に戻った僕はみんなが見つめる前でタイムカプセルの箱を開けた。泥だらけで形も変わっていたが、箱はすんなりと開いた。僕にとっては懐かしい物がいっぱい出てきた…点数を人にもまだ見せることが出来る範囲の答案用紙、愛ちゃんと見に行った映画の半券、制服のボタンなど…


僕は青と赤の1組のペンダントをとりだした。でも微妙に形や色が違ってお揃いという感じでは無かった…僕は赤い色のペンダントをソーディア王に渡した。「これが彼女の持ち物です。魔法因子が残留していると良いのですが…」ソーディア王は赤いペンダントを自分の目の前にかざすと念を込められた。




…するとペンダントが光輝いた。「おお…成功じゃ…ゴルドと連絡がとれるぞ…おい!ゴルドよ…ワシじゃ、マサムネじゃ…辛い想いをしているであろう!





「あははは…またじいじの負けじゃ…リルくんは強いのう…」「じいじ…もういっかいやろうよ…」お義父さんがリルと遊んでいる声が響いてその場の張りつめた空気感が凍りついた…


「ゴ、ゴルド…お主…何をやっておる。こっちは何とかお主達のサルベージを試みておるのに…」

「あっ!その声はマサムネじゃの。仕方ないではないか…退屈なんじゃ。シルヴァもミスちゃんと遊んでおるわい。それよりここから早く抜け出す方法は無いのか?」


ソーディア王はゴルドと今までの経緯を説明し合い、脱出の方法についても説明した…


「なるほどのう…しかし1分間でワシらが全員出口まで辿り着けるかは疑問じゃわい。

せめてもう少し余裕がないと…ティナ、ティナはおらぬか?」プラティナは赤いペンダントの近くに駆け寄る…「お父様…私はここです!」「おお…ティナよ…お前がちょっとだけ我慢して婿殿の子種をミラールに授けてやってはくれぬか?」


ティナの表情が一瞬、凍りついた…そして次の瞬間「そ、そ、そ、そんな事出来る訳ないでしょーがぁぁぁぁぁ!」


ティナの声は衝撃波となりその場にいる全員の鼓膜にキーンという振動が伝わった…それはペンダント越しにゴルドやシルヴァ、ミスとリルにも届いて全員が耳を押さえた…


「じょ、冗談じゃよ。本当にそなたはユーモアのセンスが無いのう。」


「ユーモアのセンス?」ゴルドを除いた全員が心の中でため息をついた…

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