ソーディア王の知恵
「ダーリン!私も行く…お願い!連れて行って!」ティナが寝室から出てきた…
「ティナ…君は休んでいたほうがいいよ…」
「婿殿の言う通りじゃ…ティナよ…」
「ジュエラ王国もダーリンも私の大切な大切な存在…何も出来ないって辛すぎるわ。」
僕とラリーさんは頷き合った…
「ティナ…これから先はテレパシーで。」
「あっ!そうか!アイさんの未来眼に分からないようにだね!」その時、ラリーさんが「婿殿、お会いしてくださるそうですぞ!」と僕に向かってガッツポーズをした。
「誰に会いにいくの?」ティナが僕の顔を覗き込んだ。「ティナはあまり嬉しく無いかもね…」「えーっ!ダーリン…教えてよ…」
「では、婿殿…行きますぞ!」ラリーさんと僕とティナは瞬間移動をした…
「よー来たな!兄ちゃん!姉ちゃんに会いに来てくれたんか?」「ムラサメ君…そんな訳無いでしょ!違うわよ!」「あちゃー!なんや!ティナちゃんも一緒かいな!」「なんやとは何よ!」
ムラサメとティナの掛け合いを横目に僕とラリーさんはソーディア王と謁見させて頂くことが出来た…
「先日は娘…ナギの件で迷惑をかけて済まなかったな。して、今日は何用かな?」
「その前にお願いがございます。何卒人払いを宜しくお願い致します。」「はっはっは…あいわかった…これでどうじゃ!」
ソーディア王は乳白色の球体の結界を創り出された…まるで僕達は真珠の中に入っているようだ。「この中での出来事はたとえ、ミラールの巫女でも知り得まい。さあ…何なりと申してみよ!」「実は…」優也はソーディア王に全てを打ち明けた…
「何?ゴルド達が…拐われた場所を特定して人質達を取り返したいとな!…うーむ!
プラティナの婿殿よ、焦るお主達の気持ちも理解る…じゃがの、ミラールがなぜ其方達を狙うのか?理由もわからぬまま、闇雲に行動を起こしては第二、第三の悲劇が起こるやも知れぬ…違うかな?」
「それは…そうなのですが…理由を聞いても教えて貰えなくて…」
「そうか…お主はただ感情に任せて相手に怒りをぶつけるタイプでは無いらしいの…
いや、済まなかったな。我が国の男は息子も含めて血気盛んな奴らばかりでの。」
「…父ちゃんまでワイの事を…かーっ!
ワイの事はええからゴルドのおっちゃん達を何とかせなアカンやろ?」
「まあ、待て…婿殿、お主はミラールがお主を欲しがる理由に心当たりはないのかな?」
「それが見当たらなくて…」「そうか…実はワシは、一つだけ心当たりがあるのじゃ!」
「な、何ですか…それは?」