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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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合わせ鏡の恐怖

かすみ草のように散りばめられた星空の中に大輪の光の花が咲く…「ドーン!」異世界で見る花火も人間界と変わらず風情を感じる…和服のようなミラール王国の民族衣装を着た人達の中にいると余計である。王宮に招待された僕達はミラール王宮でお食事を頂いた後、花火をご覧くださいと勧められたがミスとリルにお祭りに急かされて王宮を後にした…ティナが気にしていた愛ちゃんは用事で席を外していてミラールの大臣が手厚くもてなして下さった…


「じいじー!こっちだよー!」「はっはっは…そう急がんでも順番に買ってやるわい!」「ばあばー!こっちのほうがはなびがよくみえるよー!」「はいはい…待ってね…今行きますから…」


お義父さんとお義母さんにミスとリルをお任せして、僕はティナとお祭りの屋台を見て回ることにした。


以前、僕の実家の母が仕立ててくれた浴衣をティナが着ている…「どうかな?似合ってますか?」「さっきから道行く人が振り返るくらい美人だよ…でも一国の国王がこんな所に来てもいいのかな?」「ん…人間界なら大問題だろうけど…ここでは他の国の人は分かっててもあまり干渉しないね…」「なるほど…それが暗黙のルールなんだね。だからお義父さんとお義母さんも色々出かけられるんだ!」「でも本当は護衛を付けなきゃいけないんだけど…」「…けど?」「お父様とミスとリルは…多分、国では一番強いし…私は…あなたと二人きりが良いから…ね!」「なるほど…納得です!」それにしても浴衣姿のティナ…うなじが艶っぽい…「ティナ…」「はい?…」「綺麗だよ…」「ダーリン…」僕は一国の国王ではなく、今は浴衣姿の可愛い妻に口づけた…


ミスとリル…それにゴルドとシルヴァは長い階段を上って花火がよく見える高台の神社まで来ていた…


「おお!中々の見晴らしじゃ!これ!お前達!あまり遠くまで行くんじゃないぞ!」


「はーい!」「はーい!」


その時…暗闇に光を帯びた蝶が舞っているのをリルが見つけた…


「おねえちゃん!あれ!…」「あっ!」「まてー!」「まてー!」


蝶を追いかけた二人は神社の社に入って行ったのを見届けると自分達も社の扉を開けた。

蝶に夢中でミスは自分のポシェットからウサギのマスコットを扉の前に落としたことに気付かなかった…


ミスとリルは蝶が鏡の前で止まっているのを見つけた…蝶にだんだん近づく二人…


二人が蝶の前に来た時、ふいと蝶の姿が消えてしまった…「あっ!どこ?どこにいったの?」「おねえちゃん!あれ!」


二人の前にある鏡が青白く光っていた…

ミスは後ろを振り返った…すると後ろにも同じ鏡が…二つの鏡がまるで共鳴するかの如く光を放っている…


二人は光に誘われるまま鏡を覗きこんだ…

すると幾重にも自分達の姿がそこに写っていた…突然、手前の自分達の姿が消えたかと思うと順番に奥に向かって写っている自分達の姿が消えていく…


鏡の中の二人の姿が完全に消えたと同時に二人の姿が社の中から忽然と姿を消してしまった…




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