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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
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赤い花の毒

その時、ナギを突然目眩が襲う…「ううっ…」優也のすぐ側に彼女は倒れてしまった…「姉ちゃん…!」ナギに駆け寄るムラサメ…


「どうしたんや!もう恋煩いは治った筈やで!姉ちゃんの想い人はここにおるやんか!

」優也はナギの玉のような汗を見て…「ひょっとして…動かさずに医者を呼んだ方がいい!急いで!」そう叫んだ。


「すまんけどな、あんた…姉ちゃんの様子を見といたってんか!」ムラサメは指を鳴らして優也の手足を縛っているローブを解いた…優也にナギを託した反面ムラサメは心の中で思っていた…「ティナちゃんの旦那さんとは言っても所詮は人間…逃げて帰るやろなあ…」


ムラサメは魔法でソーディアに帰って自国の医者を連れて来た…驚いた事に優也はそこにいて必死にナギの看病をしている。「兄ちゃん…」自分のローブを床に敷いてナギを寝かせて、Tシャツの袖を破って鍾乳洞の中の湧き水に浸して…ナギの頭を冷やす…そしてもう一方の破った袖で一生懸命汗を拭いていた…


「お医者はん!姉ちゃんを診たってくれへんか?」医者は治癒魔法を試すがナギには効いていない…「これは…多分…毒にやられてますね…」「毒?」「姫は花粉を吸い込まれませんでしたか?」「花粉…ナギさんはワルキューレの花を摘んでいましたが…」「ワルキューレ…ジュエラに自生するあの白い花ですよね…調べてみましょう。」医者はそう言うと魔法で植物辞典を出した…「ワルキューレ…いや、花粉に毒は無さそうですが…」


優也はナギの言葉を思い出した…「何万本に一本…赤い花が咲くのです…」


「赤い花だ!ワルキューレには赤い花があるはず…それはどうですか?」「ちょっと待ってください…ありました!赤い花は強い神経性の毒を持っています…そのまま放置したら命に関わると…」「なんやて…ほしたらどないせえっちゅうねん!」「動けば毒がますます全身に回ります。この場から動かさず薬草で毒を中和させるしか…」「薬草…それはどんな…」優也の言葉に医者は「岩肌にしか生えないというスクリュードという薬草です。ただ…そこら辺に生えているという訳ではなく、希少種です。」と肩を落とした。


ショックを受けるムラサメ…「どうする事もでけへんのか…」「何を言ってるんだ!」

優也はムラサメを拳で殴りつけた…「お、お前…何しやがんねん!」「お前が諦めてどうするんだ!先ずはみんなの力を借りて薬草を探す事が先じゃないのか?俺もティナやみんなに訳を話して探してもらうからお前も…」


「そうやな…分かった!国のみんなを連れて来るわ!」ナギを医者に任せてムラサメはソーディアへ…優也もまたジュエラ王宮へ急いだ…

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