抑えていた自分
「ママー!えーん!えーん!」「ママー!パパがつれていかれちゃったあ!」ミスとリルの鳴き声は王宮のプラティナの元へ届いた…「あの子達だわ!」プラティナは国王室の隣の応接間のドアに魔法をかけて一瞬でエメラルダの森にやって来た…「ミスー!リルー!どこなのー!」
ミスとリルはプラティナを見つけて駆け寄る…
「わーん!ママー!パパがどこかへつれていかれちゃったよ…」ティナを軽い目眩が襲った…「ナギ…」
エメラルダの森の中の鍾乳洞では拘束された優也が手足を縛られた状態で横たわらされていた。「くっ!…ミス…リル…」「大人しゅうしといてや。今、姉ちゃんを連れてくるさかい…
しばらくして優也の前にナギが現れた…「これは…優也さん…どうしたのですか?今すぐ縄を…」「おっと、その必要はないで。姉ちゃん…」「ムラサメ…あなた…こんなことして…」「こんなことして…?こうでもせーへんかったら姉ちゃんはどうなるっちゅうねん。ワイは姉ちゃんに想いを遂げて欲しかったんや。さあ…自分の気持ちに素直になりいや!」「自分の…気持ち…」
ムラサメの言葉に優也への気持ちを抑えていたナギの心のタガが外れてしまった…
「優也さん…私、優也さんのこと…」「ナギさん…」
「何?婿殿が連れ去られた?相手はソーディアの…うぬぬ…マサムネの奴め…」
ソファーに伏して泣きじゃくるティナに怒りを露わにするゴルド前国王。そんな二人を
シルヴァとミスとリルは心配そうに見守る…
「早速ソーディアに使者を送れ!事と次第によっては戦争じゃ!」
ナギは優也の口唇を見つめて身体を抱きしめる…「ナ、ナギさん…?」「好きです…優也さん…」二人の距離はもう鼓動の音が伝わる位で二人の口唇と口唇はどんどん近づいて行く…




