表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
19/105

博愛

「ティナ…しかしな、ちょっと困った事があるんじゃ…ワシももういい歳じゃ…このまま国王の職を務め続けることは出来ない…

かといって人間の婿殿に押し付ける訳にはいかん…ワシとシルヴァは婿殿の人となりを理解出来たが、国民は人間が自分達の上に立つという事が気に喰わない者も居る筈じゃ…

ミスとリルが大きくなってこの国を任せるまでにはちと時間がな…」

「分かりました!お父様…では私が王女としてこの国を治めます!」「し、しかしのう…ジュエラ王国も、他の二国も普通は王は男性が…」「いいじゃありませんか?あなた…」

「シルヴァ…」「私達の娘、ティナならやってくれますよ…あんなに素敵な旦那様を見つけてきたんですもの…視界の狭かった私達よりもずっと素晴らしい事をこの国にもたらせてくれる筈です…」

「そうなの…お父様…私、いつか人間界と私達、魔界が仲良く出来るようにしたい…

私、考えたわ…何故人間界と魔界が仲良く出来なかったのかを…お互いに知ってもらう努力をしてないからよ…人間は魔法使いを恐れて魔女狩りなどを繰り返してきた…私達はそれを恨みに思って人間を下等動物だと思って来た…これじゃ仲良く出来る筈ないわ…


私のダーリン…優也さんはお父様より非力で魔法を使えないわ…でも一つだけお父様に無いものを持っていますわ…」「それは何じゃ?」


「人の気持ちを理解して寄り添う…博愛の精神です。この何百年の間に人間はお父様やお母様が言われる野蛮で自分勝手な種族からお互いの事を思い遣る事の出来る素晴らしい種族に進化してます…優也さんの周りにはそんな優しさで溢れた人ばかりで私が人間界でお世話になった方は私を大切にしてくださる方しかおられませんでしたよ…彼が優しくて素晴らしい心を持っているのも納得がいく筈です。」「なるほどのう…」


「私、人間の素晴らしい旦那様がいることを国民に伝えます…そして私が幸せな事を見てもらう事で人間と私達が共存していけると証明していくつもりです…旦那様にも協力して貰いますわ…」「勿論だよ…ティナ…僕はこの世界の事は何も理解わからないけど、君が困った時には二人で力を合わせて乗り越えて行こう…」


「ティナ…お前は立派になったのう…婿殿…本当にありがとう!感謝しておるぞ!あいわかった!それでは国王はティナ…大臣はラリー!お前に任せる…」「兄上…」「お前もいい歳だが…ティナと婿殿を…これからのジュエラ王国が繁栄するように少しの間、導いてやってくれ…」「兄上…兄上とシルヴァさんはこれからどうするのですか?」「そんな事は決まっているではないか…ティナは婿殿の所に嫁いだとはいえ、国王の仕事にミスとリルを連れて王宮に来るだろう…ワシとシルヴァはミスちゃんとリルくんのお世話をするのじゃよ…ははは…のう、シルヴァよ!」「ええ、これから毎日が楽しくなりそうだわ!」


こうして僕の奥様は魔界の国の王…魔王女となった…僕にまた素敵な家族が増えて僕は嬉しかったが、魔界と繋がりが出来た事でとんでもないドタバタ劇に巻き込まれていく事をこの時の僕はまだ知らなかった…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ