じいじとばあば
ミスとリルが吹き飛ばした跡をしばらく見つめていたゴルドだったが…やがてプラティナに向かって…
「ティナよ…あの子達は…お前の子達か?」
「そうよ…愛する旦那様との愛の結晶よ!」
その言葉に大きく頷いて、ゴルドはミスとリルのところに歩み寄った。
「お前達…ワシはな、ティナの…ママのお父さんだ!!
つまり…お前達のじいじだ!可愛いのう!
どれ…こっちへおいで!」
しかし…ミスとリルは冷ややかな眼差しをゴルドに向けていた…
「ほんとうにあたしたちのじいじ?」
「じいじならママだけじゃなく、パパのこともだいじにするよね!」
「このひと…さっき、パパのことかたなできろうとしてたよ!ミス、ちゃんとみてたもん。」
「じゃあ…おねえちゃん、こいつもやっちゃおうよ!」
ミスとリルは両手を前に突き出した…
「えっ…⁉︎」
ゴルドは本気で驚いて後退りしながら…
「わーっ!あれは冗談!!冗談だよ!!嫌だなあ…あっはっは!!これからじいじがパパに謝るからちゃんと見てるんだよ!!」
ゴルドは今度は優也の所に近づいていく…
「本当に済まなかった!!一国の主として恥ずかしい限りじゃ!!ワシは人間を色眼鏡で見てたんじゃの…国王失格じゃ!!
魔族にも人間にも良い奴、悪い奴が居る。それを見極めないといけなかった…この通りじゃ…」
ゴルドは優也に向かって頭を下げた…
「そんな…やめて下さい!!頭をお上げ下さい…」
顔を上げたゴルドは申し訳無さそうに肩をすくめながら…
「それと…一つお願いがあるのじゃが…孫を…抱かせては貰えんだろうか…婿殿よ!!」
「お義父さん…」
「ティナも…済まなかったな…お前はいい婿殿に巡り合ったな。ワシもシルヴァと出会った時の事を思い出したよ…」
ゴルドとシルヴァは微笑み合った…
「ミス!リル!じいじとばあばが抱かせて欲しいんだって…」
プラティナが嬉しそうに二人を呼んだ…
「じゃあ…じいじ!リルをかたぐるまして!」
「はいはい!お安い御用さ!」
ミスは…ばあばの膝の上にチョコンと座って…
「ねえ…ばあばもパパのこときらいなの?」
「何を言ってるの!ばあばがミスちゃんのパパを嫌いな訳無いじゃない…ママとパパはずうっと一緒にいて欲しいって思ってるわよ!」
僕とティナは顔を見合わせて微笑み合った…




