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奥さまは魔王女  作者: 奏 隼人
103/105

一緒に見てきたもの

我が家に久しぶりに親父とお袋が家に遊びに来ることになった…


「じゃあ…お義父さんやお義母さんにも来てもらわない…?」「えっ?」ティナは少し困惑した表情を浮かべた…

「…前にね、私…お義父様に家族の事聞かれた時に家族はいないって言っちゃったから…どういう顔してお会いしたらいいのか…」


「ああ…ティナ…その事なら大丈夫。実はあれから親父とお袋にティナの事を詳しく説明したんだ。ティナが家柄の為に他の人と結婚させられそうになった事。そしてミスやリルを見て…僕の事を理解して下さって僕達の事を許して下さった事。そして僕達家族に十分な支援をして下さっている事…全部をね…」


「…お義父様は何て仰ったの?」「たとえ、ティナさんとご両親の間にわだかまりがあっても親子の絆は絶対に切れない…それは夫婦の絆も家族の絆も同じ…お前がティナさんを大切にして全ての周りの人に感謝しなさい…だって。」ティナの目から大粒の涙が溢れる…「ううう…」僕はしゃがみ込んだティナに寄り添った…「泣かないで…ティナ…」「ゴメンなさい…私、幸せだね…ダーリンといると自分がどんどん幸せになっていくのが分かるわ…お父様とお母様に家に来てもらえるようにお願いしてみますね…」


こうして僕達は週末に両方の両親達を自宅に迎えることになった…ティナはどうなるものかと心配していたが、顔合わせの丁寧な挨拶から五分も経った頃だろうか…?


「いや〜ゴルドさん!この洋酒…最高ですな…私は日本酒党なのですが水割りでもこの深み…目からウロコですな!」

「…父上殿…これが日本酒というお酒ですか…私は初めてですが…実に味わい深い!

シンプルな呑み口から鼻に抜けるこの果実のような味わい…」

「おっ!分かって頂けますか!嬉しいねぇ!さあ…もう一杯…母さん!ゴルドさんに何か出してくれ!」「はいはい!」


うちのお袋が冷蔵庫の中から冷奴を出した時、ティナが「お義母様…私がやりますわ!うちの母親と一緒にゆっくりなさってください…」と気遣った…お義母さんも「そうですわ…お母様…酔っ払いは放っておいて私達で楽しみましょう…」と言ってくださった。


「ティナ…僕にも手伝わせて…」「ありがとう…ダーリン!」僕は大したことは出来ないのでティナの邪魔にならないように洗い物でもすることにした…「ねえ…ダーリン!」「何?どうしたの?」僕はふと横にいるティナの表情を見た…嬉しそうなティナの笑顔で僕はティナが言いたい事が全部分かったような気がした…「私ね…」「うん。そうだね…」「ダーリン…私まだ何も言ってないよ…」「でもね、分かるんだよ…何となく…」


「それが夫婦ってもんなんだよ…」お袋が僕とティナの肩に手を置いてニッコリ笑って呟いた…


「優也…ティナさん…何で人は愛し合ったら結婚して、一緒に住んで、子供をもうけるのか…それはね、愛し合った人と一緒のものを見て…一緒に笑って…一緒に泣いて…そして一緒に築き上げてきた幸せを今度は自分達の子供に伝えたいからなんだよ…だから優也とティナさんは結婚してきっと一緒にたくさん一緒のものを見てきただろう?だからお互いに感じて思う事が理解わかってきたんだよ…」「お袋…」「お義母様…」


僕とティナは顔を見合わせて笑った…

それはお互いに思っている事が理解わかったからだった…


「ずっとこの幸せな瞬間ときが続きますように…」

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