WINTER CALL
湖畔に佇むヨットはその帆を
たたむことなく空を見上げていた
あの温かい風を待ち焦がれているのは
きっと君だけじゃないようだ
季節外れの蜃気楼みたい
霞む森の色は朝焼けで影の中
11月の匂いが通り抜けていくのは
街を照らす合図のようだ
音を無くした世界に
ノイズ混じりのレコードをかけながら
淹れたてのコーヒーに口をつけた
森が少しずつ寂しくなる度に
厚手の服を着込んで動けなくなった
あの温かい風を待ち焦がれているのは
きっと君だけじゃないようだ
灰色のカーテンがかかっているみたい
霞む森の色は朝焼けで影の中
12月の気配が包み込んでいくのは
街を照らす合図のようだ
彷徨い続けた祈りに
誰かが微笑みかけてあげるように
優しくレコードが歌う
毛布にくるまって塞いだ体が
その眩しさに包まれていく
夢じゃない今日を始めようか
あの風とまた出会うために
弱音も希望も抱きしめて言うよ
おはよう
読んでいただき、ありがとうございました。