番外編:二字熟語以外19 天
天から始まるお寺名とか、天で終わる神さまの名前とかは省かせていただきました。
ご了承ください。
天が紅(てんがべに) 赤い夕焼け雲、夕やけ
天つ枝(あまつえだ) 親王の異称
天つ少女(あまつおとめ) 天女・天人 / 五節の舞姫
天つ風(あまつかぜ) 天を吹く風
天つ神(あまつかみ) 高天原の神、またそこから降臨した神、その子孫
天つ国(あまつくに) 天上にある国、高天原
天つ雲居(あまつくもい) 天の雲のあるところ、大空 / 宮中、禁中
天つ袖(あまつそで) 天人の衣の袖、五節の舞姫の袖にもいう
天つ空(あまつそら)
大空 / 宮中 / はるかに遠く離れた場所 / 心の落ち着かぬこと、うわのそら
天つ罪(あまつつみ) 天上で犯した罪 / 朝廷の命による処罰
天つ日(あまつひ) 太陽、日輪
天つ宮(あまつみや) 天上にある宮殿
天つ水(あまつみず) 天の水の意から、雨
天つ水影(あまつみずかげ) 天上にある水の面にうつって見えるもの
天つ尊(あまつみこと) 天照大神、日の神
天にも昇る心地(てんにものぼるここち) 甚だしく喜ぶ心持
天にも地にもかけがえ無い(てんにもちにもかけがえのない)
何にも代えられない、最も大切なものにいう
天に口無し人を以て言わしむ(てんにくちなしひとをもっていわしむ)
天は口がないから、人の口によって天意を言わせる
天に唾する(てんにつばする)
人に害を与えようとして、かえって自分が被害を受ける
※天に向かって唾す、天を仰ぎて唾す、も同じ
天に二日無し(てんににじつなし) 一国に二人の君主があるはずがない
跼天蹐地(きょくてんせきち)
頭が天に触れるのを恐れて背をかがめて歩き、地が落ちくぼむのを恐れて抜き足で歩く
身の置き所のない思いをすること、肩身が狭くて世をはばかって暮らすこと
天の命(あまのいのち) 生命
天の磐船(あまのいわふね) 天の川を渡るという船
天の浮橋(あまのうきはし)
神が高天原から地上に降りるとき、天地の間にかかる橋
天尾羽張(あまのおおばり) 加具土命を斬った剣、伊都尾羽張
天の加久矢(あまのかくや) 古事記にみえる矢の名、鹿を射るためのものか
天香具山(あまのかぐやま) 高天原にあったという山
天の河原(あまのかわら) 日本神話で天上界にあるという河原 / 天の川の河原
天の幸(あまのさいわい) 願ってもないさいわい
天の逆手(あまのさかて) 呪術の一つ、人を呪うときに打った柏手
天の逆鉾(あまのさかほこ)
降魔の呪術として鉾をさかさまに立てたものか / 天の瓊矛の後世の称
天の関守(あまのせきもり) 天にあるとする関所の番人
天の高市(あまのたけち) 高天原で諸神が集合したという所
天の甜酒(あまのたむさけ) 甜酒の美称
天の足夜(あまのたりよ) 満ち足りた良い夜
天の戸河(あまのとがわ) あまのがわ
天の鳥船(あまのとりふね) 日本神話にみえる速力のはやい船
天の瓊矛(あまのぬほこ) イザナミとイザナギが滄溟を探ったという鉾
天の羽車(あまのはぐるま) 神の遷宮・渡御のときに神霊を奉安する車
天の羽衣(あまのはごろも) 天人の着る薄く軽い衣、虚空を駆れるという
天の羽羽斫(あまのははきり)
スサノオノミコトが大蛇を斬った十拳剣(とつかのつるぎ)の名
大蛇の麁正(おろちのあらまさ)、大蛇の韓鋤(おろちのからさい)とも
天の羽羽矢(あまのははや)
日本神話で、日若日子が天神から賜り、神武天皇が天孫民族の証とした矢
羽羽矢(ははや) ※「はは」は大蛇の意
大蛇のように威力ある矢、または大蛇を射たおす矢か、羽根の広く大きな矢とも
天の羽羽弓(あまのははゆみ) 天の羽羽矢を射る弓
天の原(あまのはら) おおぞら / 日本神話の天上界、高天原
天の御蔭(あまのみかげ) 宮殿をほめたたえていう語、日の御蔭
天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)
スサノオノミコトが八岐大蛇を退治したとき、尾から出たという剣
これをアマテラスオオミカミに奉り、のちに草薙剣と称される
天の安の河(あまのやすのかわ) 天上にあったという河、神々が集まって会合した
天の八衢(あまのやちまた) 高天原と葦原の中つ国との間にあったという辻
天の余所(あまのよそ) すっかり疎遠になっていること、非常に冷淡なこと
天の海(あめのうみ) 広い大空を海にたとえていう語
天の掟(あめのおきて) 天つ神が定めたきまり、宿命、天上の法則
天の印(あめのおしで) 月のこと / 天の川のこと
天の下(あめのした) この国土 / 日本国中 / 国家
天の美禄(てんのびろく) 酒の異称
天高し(てんたかし) 秋は空が澄み、ひろびろと高い
天の網(てんのあみ) 天が張り巡らした網、自然の制裁、天罰、天網
天の声(てんのこえ) 天の考えを人に告げる声
天の濃漿(てんのこんず) 天上の飲物、甘露
天の眼(てんのまなこ) 人の善悪を監視するという天の眼識
天パン(てんぱん) オーブンの中に入れる皿状の鉄板、オーブン・プレート
天衣無縫(てんいむほう)
詩や文章にわざとらしさがなく、自然で美しいこと
転じて、言動を思うとおりにして純真であるさま
天井が抜ける(てんじょうがぬける)
多くの人に知られる、公然のことになる / 有頂天になる
天井を見せる(てんじょうをみせる) ひどい目にあわせる
天井画(てんじょうが) 天井の装飾として描かれた絵画の総称
天井見たか(てんじょうみたか) 恐れ入ったか、降参したか
天一神(てんいちじん) 陰陽道で方角をつかさどる神
天陰く(ひしく) 空が暗くなる、空模様が悪くなる
天花粉(てんかふん)
キカラスウリの根から採った白色のデンプン、あせもや化粧品に使われた
天下喉舌の官(てんかこうぜつのかん) 大納言の異称
天下国家(てんかこっか) 政治や社会に関わる大問題
天下晴れて(てんかはれて) 誰はばかるところなく、公然と
天下道具(てんかどうぐ) 天下に二つとないほど貴重な道具、人物
天下母(てんかのはは)
万物を生み出す根源、道家でいう道のこと / 国の母、皇后のこと
天下無敵(てんかむてき) 天下にかなうものがいない
天涯地角(てんがいちかく)
空の果てと地上のすみの意、両地が非常に遠くへだたっていること
天蓋屋(てんがいや) 葬具屋
天蓋花(てんがいばな) ヒガンバナの別称
天蓋百合(てんがいゆり) オニユリの別称
天眼鏡(てんがいきょう)
人相見が用いるやや大きい凸レンズ ※運命を見通す意から / 望遠鏡の古称
天眼通(てんがんつう) 六神通の一つ、自在に対象を見通す能力、てんげんつう
天機を漏らす(てんきをもらす)
天の機密を漏らす意から、重大な秘密を漏らす
天機伺い(てんきうかがい) 参内して天皇の機嫌をうかがうこと
天気祭(てんきまつり) 長雨の際、晴天を祈る祭り、日和申
天逆様(あまさかさま) 理非のさかさまなこと、不合理なこと
天狗の投げ文(てんぐのなげぶみ) どこから来たか分からない怪しい手紙
天狗の媒鳥(てんぐのおとり)
天狗を釣り寄せる囮の意から、女の鼻の高いものの称
天狗の鉞(てんぐのまさかり)
石器時代の遺物、石斧を落雷の際に天空から降りたもの、と考えたもの
霹靂碪、雷の鉞、雷斧、雷斧石
天狗酒(てんぐざけ) あとのことを考えず、底なしに酒を飲むこと
天狗倒し(てんぐだおし)
原因不明で突然、暴風のようなすさまじい音がして、ものが倒壊すること
天狗道(てんぐどう) 天狗の世界、魔性の世界
天狗飛斬の術(てんぐとびきりのじゅつ)
剣術で、高く飛び上がって敵を倒すという術
天狗風(てんぐかぜ) にわかに空中から吹き下ろしてくる旋風
天狗連(てんぐれん) 自らその道の達人とうぬぼれている連中
天狗咄(てんぐばなし) 自慢話
天狗礫(てんぐつぶて) どこからとも知れず飛んでくるつぶて
天空海闊(てんくうかいかつ) 人の度量が、海や空のように広く大きい
天刑病(てんけいびょう) ハンセン病
天香玉兎(てんこうぎょくと) 画題、月に桂花を配したもの
天香国色(てんこうこくしょく) 牡丹の花
※天下第一の香りと、国じゅうで最も美しい色をもつものの意
天骨もない(てんこつもない) とんでもない、途方もない
天使祝詞(てんししゅくし) アヴェ・マリア
天竺葵(てんじくあおい) ゼラニウムのこと
天竺牡丹(てんじくぼたん) ダリアの異称
天竺豆(てんじくまめ) ソラマメの異称
天竺浪人(てんじくろうにん) 住所不定の浪人者
天邪鬼(あまのじゃく)
昔話に出てくる悪者、人に逆らい、人の邪魔をする
仁王や四天王が踏んでいる子鬼 / わざと人の言に逆らって片意地を通す者
天寿国(てんじゅこく) 極楽の異称、无寿国の誤読からか
天少女(あまおとめ) 天人・天女
天象儀(てんしょうぎ) プラネタリウム
天上天下(てんじょうてんげ)
天上の世界と地上の世界、天地のあいだ、全世界、てんじょうてんが
天壌無窮(てんじょうむきゅう)
天地ともにきわまりのないこと、永遠に続くこと
天神机(てんじんづくえ) 手習所で使った机
天神地祇(てんじんちぎ) 天つ神と国つ神、すべての神々
天人花(てんにんか) フトモモ科の常緑低木、漢名:桃金嬢
天人石鯛(てんにんいしだい) エンゼル・フィッシュ
天造草昧(てんぞうそうまい)
天が万物を創造したばかりで、天地がまだ明らかでないこと
天知らす(あめしらす) 死んで天上においでになる、崩御される
天地開闢(てんちかいびゃく) 世界の初め
天地玄黄(てんちげんこう) 天は黒く、地は黄色である
天地神明(てんちしんめい) 天地の神々
天地人(てんちじん) 天と地と人、宇宙の万物
天中節(てんちゅうせつ)
陰陽道で、火災・盗難・疫病・口舌の災いとはらうために、柱に張る守札
陰暦の八月一日の日の出前に張り出す
天長地久(てんちょうちきゅう)
天地は永遠に尽きることがない、天壌無窮
天頂儀(てんちょうぎ) 観測地点の緯度を決定することができる望遠鏡装置
天灯鬼(てんとうき) 鬼の像、竜灯鬼と対を成す
天道干し(てんどうぼし)
路上にゴザなどを敷き、商品を並べてあきなう店、だいどうみせ
天道神(てんどうしん)
日神(ひのかみ)と大日如来の両部習合思想から、太陽を神格化したもの
天道、人を殺さず(てんどうひとをころさず) 神は人を見捨てないの意
天道任せ(てんどうまかせ) 自然の成り行きにまかせる、運命にまかせる
天馬行空(てんばくうをゆく)
天馬が大空を勢いよく走る、筆勢・思想・行動がのびのびしていて自由である
天秤を掛ける(てんびんをかける)
どのような結果になっても困らないよう、対立する双方に関係をつけておく
ふたまたをかける、両天秤をかける
天罰覿面(てんばつてきめん)
天罰が即座にくだること
悪事の報いは直ちに我が身に跳ね返ってくるということ
天賦自然(てんぷしぜん)
天から与えられ、人力ではどうにもできないもの、すなわち本来の性質
天賦人権(てんぷじんけん) 天が人に対して平等に賦与した権利
天覆之心(てんぷうのこころ) 天が万物を広くおおうように、広く行き渡る仁愛の心
九重の天(きゅうちょうのてん) 天の最高所 / 宮中
壺中の天(こちゅうのてん)
一つの小天地、別世界、また、酒を飲んで俗世を忘れる楽しみ、一壺天
碧羅の天(へきらのてん) 晴れ渡った空、好天
フラシ天(ふらしてん) 織物で、プラッシュのこと
コール天(こーるてん) ビロードに似た木綿の畝織物、コーデュロイ
黒闇天(こくあんてん)
容姿醜悪で人に災害を与える女神、吉祥天の妹
黒闇女、黒闇天女、黒夜神
以食為天(しょくをもっててんとなす)
食物が第一、食物は人民の生活の根本である
以管窺天(かんをもっててんをうかがう)
くだの穴から天をのぞく、見識の狭いことのたとえ
仰不愧於天(あおぎててんにはじず)
心が正しければ、天に対して決してはじることはない
妙音天(みょうおんてん) 弁才天の異称
養花天(ようかてん) 春、花が咲くころの薄曇りの空もよう
坐井観天(いにざしててんをみる)
井戸の底に座って天を見る、見識の狭いこと
在天の霊(ざいてんのれい) 死者の霊を敬っていう語
命在天(めいてんにあり)
人の寿命というものは天の定めるところであり、人の力ではどうすることもできない
飛竜在天(ひりゅうてんにあり・ひりょうてんにあり)
聖人が君子の地位にいることのたとえ、「潜竜伏地」に対することば
潜竜伏地|(せんりゅうちにふす、せんりょうちにふす) ※該当なし
九重天(きゅうちょうのてん)
宮廷のこと ※天子の宮殿の門が九つあり、また天が九重であるとされることから
旭日昇天(きょうじつしょうてん) 旭日が昇るように、勢力の盛んなこと
白日昇天(はくじつしょうてん) 仙人になること / 急に金持ちになること
功徳天(くどくてん) 吉祥天の別称
輪奈天(わなてん)
天鵞絨の一種、織ったまま輪奈を切らないもの、輪奈ビロード
白南天(しろなんてん) 白色の果実を結ぶナンテンの品種、シロミナンテン
縮地補天(しゅくちほてん)
地をちぢめて天の欠けを補う、天子が行政上の大改革をすること
野暮天(やぼてん) きわめて野暮なこと、またその人、やぼすけ
戴盆望天
大きな鉢を頭の上に乗せて天を眺める、同時に二つのことはできないたとえ
蔚藍天(うつらんてん) 深みのあるあお色の天、碧空、蒼天
煤梵天(すすぼんてん) 煤男の異称
李滔天(りとうてん) 浄瑠璃の中の人物、悪役・憎まれ役の意で用いる
天降り(あまくだり) 天から国土にくだること、天上界から下界におりる




