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目指せ!一騎当千 ~ぼっち自衛官の異世界奮戦記~  作者: 舳江爽快
第五.五章 帝国(序) 編
229/237

古の神殿

■ ■ ■ ■ ■


 此処は"迷いの森"。

 新たにパーティ"自衛隊(ジエータイ)"のメンバーとなったパーティー"雛鳥(ひなどり)の巣"の三人の訓練を開始して、早二ヶ月ほどが経過した。

 既にギルさんを始め、ガレルやハンナは89式5.56mm小銃の扱いにも、すっかり馴染んでいる。

 特にハンナは、弓を得意にしていたのでアンと同様に命中率もかなり高い。

 とは言っても天性のスナイパーなアンには及ばないが……。

 アンによる「狙って撃てばいいんだよ」と言うアバウトな指導で、ちゃんと当たるようになるのは、やはり天性の才能なのだろう。


 既に銃器だけではなく車輌の扱いにもすっかり慣れているので、10(ヒトマル)式戦車を"雛鳥の巣"の三人だけで扱えるようにもなっている。

 車長はもちろんギルさんで、砲撃手をハンナ、操縦はガレルの担当だ。

 一応、三人でローテーションを行い全ての操作を三人がこなせるように訓練をしている。

 ギルさんは重機関銃M2がお気に入りのようで、ハッチから半身を出して重機関銃での射撃を好んで行う。

 流石に獣人ほどの体力は持ち合わせていないので、パーティー"九ノ一(くのいち)"の重機関銃M2を89式小銃代わりに使う虎人族のマユのようには行かないが。


 パーティー"自衛隊"の訓練は射撃や車輌の操縦だけではなく、災害救助を行うための重機の操縦も行っている。

 俺が良く使う"鉄の蟹"と呼ばれているASTACO(アスタコ)や、パワー・ショベル、ブルトーザーなどの扱いも隊員全員が扱えるようになった。

 その他にも野営用の装備の扱いも皆が行える。

 "迷いの森"の側でキャンプを行い、数週間にも及ぶ訓練も行った。

 いや、訓練と言うよりは実際の作業と言うべきか。


 これは、スタリオン教皇との約束で、俺がこの異世界へ初めて降りたった(いにしえ)の神殿へと続く道路の整備を訓練を兼ねて行ったのだ。

 聖都からは、かなり大規模な開拓団が派遣されてきて、彼らと共に神殿を守っている結界までの道路整備工事だ。

 途中で途切れていた石畳までのジャングルを切り開く作業を、俺達"自衛隊"がメインと成って行った。

 重機をフル活用したのはもちろんだが、ロックの指揮者(コマンダー)ゴーレムに加え、守護者(ガーディアン)ゴーレムの活躍は凄かった。


 火炎弾を放つ守護者ゴーレムでは、ジャングルが火災を起こしてしまうので、活躍したの風魔法による風刃を放つ守護者ゴーレム四体が大活躍だ。

 ロックの操縦する指揮者ゴーレムも魔剣による樹木の伐採を行ったが、かなり短時間で石畳までのジャングルの樹木は殆ど切り倒された。

 それを重機や守護者ゴーレムで運びだして、切り株なども重機で取り除く。

 途中、何度もゴブリンやオーク、そしてオーガによる襲撃があったが、俺達"自衛隊"の敵ではもはや無い。


 災害復旧用の装備にはアスファルトによる舗装を行う装備もあるので、ロード・ローラーなども駆使し、アスファルト舗装も街道から石畳までの間を行う。

 しかし、ジャングルの内部の道路は、魔物による襲撃が頻繁に有るため一般人の通行は今だ規制されている。

 古の神殿までは、道路が開通してのでマーガレット司教やアリスさん、エリスさんも車に乗せて案内した。

 古の神殿を見た三人や聖都から我見されてきた開拓団は、皆が感嘆の声を上げて感無量のようだ。

 結界によって中へ入れないという事は無く、全員が問題なく神殿へと入れた。

 やはり、この結界は魔物や魔獣を寄せつけないだけなのだろう。


「ジングージ様、伝承に残っている古の神殿を、まさか己の目で見る事が出来るとは思いませんでした」

「マーガレット司教、自分には判りませんが、この神殿はなぜ密林に飲み込まれてしまったのでしょうか?」

「それは、数百年前に起こった神々の戦いによると伝えられております」

「神々の戦いですか……」

「左様でございます。女神フノス様に敵対する神との間に起こった戦いと伝えられておりますが、詳細は不明なのです」

「それは、自分が古代遺跡都市の人工頭脳から聞いた神との戦いと関係しているのでしょうか?」

「……判りません。古代遺跡都市の伝承は殆ど残っておりません。しかし、フノス様とは別の神の存在は伝えられておりますので、古代人を滅ぼした神と女神フノス様の間に戦いが起こったのかもしれません」

「成る程……。デボネア大司教は、何かご存じですか?」

「ジングージ様、私はもはや大司教ではございません。デボネアとお呼び下さい」

「そ、そうでしたね。済みません」

「いや、恐縮です。残念ながら私もマーガレット様と同じ知識しかございません」

「そうですか。何れ古代遺跡都市の人工頭脳に聞いてみるしか無いですね。彼女……スフィならば何か知っているかもしれませんから……」

「「是非お願いします」」


 デボネア大司教は、罪を犯したので大司教から司祭へと降格され、この古の神殿の復興作業団の団長として派遣されてきていたのだ。

 同じく罪を犯したトレディア院長も降格されており、デボネア司祭と共に派遣されてきている。

 二人は、この古の神殿を復興させる大役によって罪を償っているのだ。

 スタリオン教皇から破門されなかっただけでも大温情だと言って、真面目に復興作業に取り組んでいる。

 他にもマーガレット司教を誘拐した実働部隊の神官や聖騎士も同じで、この古の神殿開拓団に加わっていた。

 元々、悪意が有った訳では無いので、全員が真面目に働いている。


 現在、彼らの行っている工事は、アスファルト舗装された道路の両脇へ石の壁と天井を作る作業だ。

 近隣からも作業員が集められて、かなりの大人数での工事。

 石は石畳の道路を元々は造るために集められたのだが、そこはアスファルトで簡易舗装してしまったので、それを流用している。

 両脇の石塀だけでもゴブリンやオークは防げるだろうが、他の身軽な魔物や巨体のオーガを防ぐには天井も作る必要がある。

 つまり"迷いの森"の入り口から神殿の石畳までの間を、石積みによるトンネル道路にする工事を行っているのだ。

 石の天井には、等間隔で鉄格子による明かり取りも作っている。


 加えて、天井の上も通行が可能なようにもした。

 道幅は馬車通行できる程の幅なので、双方向は無理だが一方通行ならば馬車で走行は可能だ。

 もちろん、俺の車輌も小型な車輌ならば通行可な幅だ。

 この魔物よけの通路が完成すれば一般人の神殿参拝も可能になるだろう。

 ただし、入り口側には教会による門が設置されているので誰でもが自由に通れるようにはなっていない。

 既に入り口側の門や、教会関係者の簡易宿舎は完成している。


 簡易宿舎の建築には、伐採した樹木を用いた木造だ。

 これに加えて石積みによる正式な宿舎も建築中なので、間もなく完成いする事だろう。

 工事にはスベニからも職人が来ているし、城塞都市タースからも来ている。

 当然ながら、聖都トセンセーからも教会の専属職人が多数派遣されて来ているのは言うまでもない。

 魔物よけの通路が完成した後、古の神殿の修復作業も行われる予定だ。

 そちらの修復には聖都からの教会専属職人が行うとの事で、一般の職人では行えない作業らしい。


 既にスマートフォンによるマップ表示では、街道と直結したアスファルト道路が、これまでの石畳の道へ接続して真っ直ぐな道が表示されている。

 実際ジャングルの伐採社業やアスファルト舗装は、このスマートフォンによるマップ表示が無ければ行えなかっただろう。

 女神様の(ゴッド)(ポジショニング)(システム)無しでは、神殿からの石畳へたどり着く事さえ出来なかった。

 そしてマップ表示を行っていて気がついた事が、もう一つある。


 この古の神殿の場所の真北に聖都トセンセーがあった事。

 さらには、石畳の道の延長上には、あの古代遺跡都市が存在していた事だ。

 つまり同じ経度上に三つの地点が存在していたのだ。

 これは偶然とは思えない。

 むしろ、この異世界の子午線に相当する重要な場所か、あるいは特異点なのかもしれない。

 そう言えば古代遺跡都市の北側にも真北に延びる石畳の道があった。

 しかし、その道は途中で途切れており、しかも真北には巨大な山脈が有り道などは無かった。

 何れ、この子午線モドキも調査してみる必要がありそうだ。







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連載中:『異世界屋台 ~精霊軒繁盛記~』

作者X(旧ツイッター):Twitter_logo_blue.png?nrkioy) @heesokai

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― 新着の感想 ―
[一言] こういう神殿は普通レイラインと言うパワースポット 上に建てられるからねえ!日本だと日光なんかそうだし 神社もそうでしょう?
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