捜索
ご覧頂きありがとうございます。超低速更新です。見直し構成も適当なので、文章おかしいところあると思いますが、見つけ次第直します。そしてぼっち回はまだ続きます。
「...なん、だよ...これ...」
訳が分からなかった。
「どうなんってるんだよ....」
理解しうる範囲を超えた光景に思わず叫ぶが、声は空しくも宇宙では響かない。
そしてその光景を思考停止した状態で眺めながらポツリと呟いた。
「どうすりゃいいんだ....」
驚愕から立ち直るまで数分間何もできずに呆然と突っ立っていたが、流石に何もせずにいる訳にはいかず
ブロックの残骸と宇宙船の方へ向かって言った。
「酷い...こんなんじゃ助かる訳がない...」
転がっていたライトで照らしながら進む。
ブロックの中は滅茶苦茶だった。
辛うじて通れる通路を落ちていたパイプで時折こじ開けながらも進んだが、
他のコールドブロックと居住区は完全に潰されるか宇宙船の破片に貫通されており、最早生死を確認するまでもない。
仲が良かった乗員もいるにはいるが、ここまで酷い状態なら諦めが付いた。もっとも、悲しくないなんてことは微塵にも思っちゃいないが。
「...ごめんな」
ふっとそんな言葉が出た。
自分だけが生き残った事に対する懺悔だろうか、はたまたずっと眠りこけていたことに対してだろうか。
地球に住んでいた時は家が病院に近かったこともあり、ECDによって毎日のように人が死ぬ光景を見てきた事で思わぬうちに本人も気が付かず死というものに僅かながらも精神が慣れてきてしまったのだ。
生死を明らかにしたところで外に出て一旦落ち着き、今度は刺さっている宇宙船の方を捜索することにした。
先頭部分は衝突により完全につぶれており、後部のノズルも幾つか破損しているが、中後方付近は大規模な損傷は見当たらない。
「・・・何か、ないかな」
通信機でもなんでもいい。連絡する者が欲しかった。
宇宙船の中間あたり、底側に縦5m×横2mほどのハッチが拉げておりそこから侵入することにした。
そして侵入した瞬間、今までとは別の意味の驚愕が襲った。
「...凄い...こんなの初めて見た...」
侵入した先は幅10m、奥行が30mほどある空間で、そこには壁に多数のモニターや巨大なロボットアーム、天井からは運搬用なのか
馬鹿でかい四足のクレーンが足を延ばしている。
地面にはレールのようなものも先程侵入したハッチから奥の方へ向かって伸びていた。
(映画みたいだ...)
なんて思いながらキョロキョロし始めたその時、あることに気が付いた。
「ん?映画みたいだって...そういや僕が寝てからどれくらい経ってるんだろう...?」
ここまで全く気にしてこなかったが、今は西暦何年なんだろうか。
少なくとも、僕のいた状態の地球じゃ宇宙にこんなもの飛ばす技術はまだ無かったはずだ。
「何年...いや、これは少なくとも何十年以上先じゃないと無理だ...よな?」
一体何時なんだろうか。今確認できる方法を少し考え込んでいると一つ思い当たることがあった。
「そういえば、機械は製造年月が刻まれてるはず...!」
研究所なんかに置いてあった機械には大抵プレートか何かに製造年月が刻まれていたことを思い出した。
すぐさま僕は近くにあったロボットアームから探し始めた。
結果、直ぐに見つけることができた。
最初に探し始めたロボットアームの基部にそっと印字してあり、どこだどこだと目を皿にのようにしていたら意外と簡単に見つかったのだ。
プレートにはこう印字されていた。
[ S.M.160 /宇宙紀160年 ]
はやく女の子出したい。
ちなみに主人公の一人称はボ↓ク↑です。