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SPACE RideR  作者: 黒峰
1/3

覚醒

初めて投稿します。

気が向いたら更新するレベルなので期待はしないで下さい。

某宇宙戦艦など、宇宙で船が活躍するものが大好きでリスペクトしてます。

ちょっと似たような部分出てくるかもしれませんがご容赦ください。

ただし、この作品で主人公が主に乗るのは宇宙バイクです。そのうちイメージ画像もあげるかも?

カシュゥゥゥ....


暗い施設の一角、一つだけ明りの灯った部屋で静かな音を立て、人の入った白いケースが開く。

その中に眠っていた若い男がスゥッと目を開く。


「・・・・・。」


窓の外には宇宙が広がっていた。


「....ぁ」


小さく声が出た。

靄のかかった思考で記憶を思い出そうとしながら、ゆっくりと起き上がる。

体が動くか確かめながら首を回すと、コールドケースの横にスマホのような端末がおいてあった。

"覚醒後必読"と表示されている。

まだ震える手で端末を取ると画面が切り替わり、文章が表示された。


―――――――――――――――

コールドスリープに入る数年前、地球上の新エネルギー開発機関で行っていた実験が原因不明の暴走を起こし、ほぼ全ての施設が爆発。

この事故直後より、人類は"数年かけて体の末端から黒くなり崩れ落ちる"という謎の症状を発症し始めた。

これをECDと呼び、人類はあらゆる方面で生存の努力を行いその一環で被検体数名を宇宙に送り出した。

目的は粒子の影響化である地球を離れた生活で症状に変化があるか追及することである。

≪ログ≫

到着後、我々の中で被検体4番(左腕発症中)の症状が最も大きかった為一度コールドスリープへ。

数日観察すると驚くべきことに、宇宙でコールドスリープに入るとECDの進行が止まる事が判明した。

僅かながらの回復も見込めるだろう。本部へ打診する。


....


〇月✕日、

中型のデブリが衝突。

推進機関が破損。


〇月✕日

修復の見込み立たず。


〇月✕日

漂流中発見した小惑星にアンカーを打ち込み、地表にブロックを固定する計画を実行。


〇月✕日

何らかの衝撃によりアンカーが破損、被検体4番の眠るコールドルーム及び連結している機材ブロックが固定出来なくなった為、分離し予備ワイヤーで係留状態にする。


―――――――――――――――


(.....確か、ECDの感染が酷くて....侵食を止めるためにってコールドスリープへ入れてくれたんだっけ...)


端末に書かれている文章を何度か読み直すと、少しずつ記憶が戻ってきた。



(眠ってからどれくらい経ったんだろう...?それより事故が...?係留ってことは浮いてるんだろうか...)

「....ぁ..あー...よし、声は出るな....」



少し混乱しつつ、体の確認をしていく。眠る前は肘から先が動かなかったが今は指先が少し動かしにくい程度まで回復している。


「...やっぱり、宇宙に出て正解だったみたいだ」


なんて体を起こしながら考えているとコールドケースの中、足のあたりに青く穏やかに光るハンドボールくらいの球体が転がっているのを見つけた。


それを見た途端、頭の中に研究所爆発事件の記憶がフラッシュバックした。


僕が宇宙に上がる前。

僕の父と母はとある新エネルギー開発機関で働いていた。

父曰く「今開発している実験が完了すれば、地球のエネルギー問題はすべて解決する」と。

そしてある時、父は笑顔でこのハンドボールサイズの球体を持って帰ってきた。

「これは試作品のうちの一つだが、恐らくこれがこれからのベースになるだろう」

そういっていた。

事故が起きたのはその数日後。

幼い僕は泣きながら球体を抱え、施設に預けられた。


そして、発症した。










「あー.....そう....だったなぁ....」


思い出すと泣きそうになる。だが、今は現状を把握しなければならないと思い強制的に考えるのをやめた。


「仕方ない、取り敢えず現状確認でもするか...」


声を出す練習がてら、考えていることは口に出すことにする。

ふと窓から外をのぞくと、意外なことに地表がすぐそこにあった。

ログにメインブロックと分離していると書いてはあったが、生命維持装置等の電源稼働音以外物音がしないのに不安を感じる。

(まだ全員コールドスリープに入っているのだろうか?)


「とりあえず、部屋から出よう。」


ある程度体も動くようになり、力も入るようになってきた。

掛けてあった宇宙服を手間取りながらも装備する。

宇宙開発初期のものと比べればかなりコンパクトになったが、まだまだ動きづらいのに変わりはない物だ。


「さぁて行こうか...っとこれも持って行こうかな」

寂しさ隠しにちょっと声高く言い、青い球をひっつかんだ。

幼いころから近くにあったコイツは、施設にいる時からずっとそばに持っている。


青玉を腰にロープで上手いこと縛り、出発する。


「よっ…と…あれ?開かない…」

扉が開かない。


僕が扉のモニターにフェイスシールドを下ろしてください、と出ているのに気が付くのは数十秒後である。



「なんで船内なのにシールド下ろさなきゃ開かないんだ」


そう文句を言いつつ出た廊下は真っ暗だった。あちこちがボロボロになっている。

出発時は綺麗だった白い壁が、ひび割れた部分や焦げたように真っ黒になっている場所もあった。

廊下の先には扉があるが、何があったのか途中が拉げて急な登りになっている。


「・・・・・・何があった」


落ち着け、状況を確認するんだ。まずは扉を開けて...と自分に言い聞かせ、未だ覚束ない足取りで扉まで向かう

扉は曲がっていたが、なんとか開けることができた。

ギギギ...と重たい音を立てて扉が開く。

そして目に飛び込んできた景色に、僕は棒立ちになり絶句した。




100メートル程先に他の乗員のコールドルーム含む居住・メインブロックが確認できた。否、正しくはブロックだったもの...の方が正しいだろう。

ブロック群を貫通するようにして、ブロック全長の三倍はあろう長さの宇宙船が大地に突き刺さっていたのだ。













ご覧いただきありがとうございます。

のんびり更新していきます。

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