『船幽霊(もうれんやっさ)』 ~香奈の章~ 終
結局、海の中にあったモノについては、良く分からなかった。
・・・私は、だけど・・・ね?
多分、華音さんは何か気になる事が有ったんだろうけど・・・
私が、それを知っても何が出来る訳では無いのが現状なのよね。
出来れば、華音さんの力になりたい・・・と思う。
・・・友達だもん。
そして、学校の方の友達の方も・・・
「最近、香織さんが元気ありませんね。」
と双子の青い方。
「そうだよね。最近ログインもしてないしさ。」
と双子の赤い方。
多分、やっているオンラインゲームの話だと思う。
私も誘われているので、近々始めてみようと思っている。
ゲームは兎も角。心配なのは、香織ちゃんだ。
「今日も・・・なんていうか、上の空・・・みたいな感じだったね。」
「授業が終わると直ぐに帰っちゃったし・・・」
「一昨日当たりから、なんか用事があるみたいだねぇ。」
「昨日、寮の方に行ったら留守・・・みたいだったよ。」
「私も夜に部屋に行ったら、もう寝ちゃってたみたいだったよ。」
「何にしても、明日、話を聞いてみましょう。」
「「だね。」」
私は友達の力になりたい。
少々お節介になるかもしれないけど、初めて出来た友達だもん。
先ずは、香織ちゃん。明日話を聞いてみよう。
もし悩んでいるなら、みんなで話せば解決の糸口が見つかるかもしれない。
私は・・そう・・・思った。