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『霧島華音・転』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第7章 『花の城の音姫』 ~海魔の章~
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『花の城の音姫』 ~海魔の章~ 其の二

海流同士がぶつかり、打ち消し合う。

正直、淡水生物?と舐めてかかっていたけど、案外やりおる。


(はーこれは埒があかないな。イカの姉さんに怨みは無いが、大技をいかせてもらう。)


言って河童は、間合いを広げる。


確か河童は・・・妖術が使えるんやったね。

間合いを取ったとはつまり、そういう事。

ならば此方も本気をださなあかんね。

あの子、この姿を可愛らしいって言ってくれたんよね。でも・・・その姿にこだわっていちゃあ勝てるものも勝てん。

うちは、”本当の姿”をさらけ出す決意をする。


(イカの姉さんも本気を出すんだな?)


(そうやね。まあ、うちの本気の・・・いや、片鱗くらいわみせたるわ。)


(よく言う!だが、俺の方が早かったようだな!!)

ミヅチ!!)


河童が両の手を掲げると、大蛇が現れとぐろを巻く。


蛟。確か、水に通じる有毒の竜の事。河の神とも言われるやつやね。


河童が手を振り下ろすと、蛟が真っ直ぐうちへと放たれた。

本物の蛟を召喚した訳やなく、模して放つ必殺技って所か。

って、悠長に解説してる場合違う。


間に合うん!?


河童の放った蛟はうちに直撃をした。


巻き上げられた砂で視界が無くなる。

先程の海流とは比べ物にならない威力を持っていたようやね。


(流石の姉さんもこれでお終いだろ?)


河童は勝利を確信している様やけど・・・


(はー痛いやんか、腕が・・・いや、足が1本痺れてしもたわ。)


間一髪、うちは本当の姿へと戻っている。

そう、海魔『クラーケン』たる本当の姿、すなわち・・・巨大なイカの姿や。


(な、蛟を喰らって無傷だと!?)


(あー知らんの? クラーケンってイカの姿してるけど、竜なんやで?)

(片鱗いうたろ?竜の鱗はそんな簡単には抜けんで?)

(そして・・・)


うちは10本の足でそれぞれ海流を起こす。


(一つ一つはさっきとほとんど変わらんが、10本あったらどうやろうね?)

(メイルシュトローム!!)


(な、そんな・・・)


うちの巻き起こした海流は渦潮となり、河童を呑みこむ。


・・・

・・・

・・・


辺りが静けさを取り戻すと、そこにはもう、河童の気配はなかった。


それにしても、困ったもんやね。この姿になると戻るのが大変やのに・・・人型やないとあの『符』がつかえへん。

うちのメイルシュトロームで、『楔』が壊せてたら・・・なんも問題なかったのやけど、ほんと華音様は・・・


暫くして、人型に戻ったうちは、『符』使い、最後の『楔』を破壊した。

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