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『霧島華音・転』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第6章 『千重の桜』 ~妖狐の章~
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『千重の桜』 ~妖狐の章~ 終

辺りは静かになった。扉を開けようと試みるも・・・やはり開かない。

階段を下りる他は無いようだ。


儂は慎重に階段を下りる。苔の様な物だろうか?それがぼぅっと光って足元を照らす。

どのくらい降りたろう?社から『桜』までの階段程だろうか?暫くすると大きめの広間に出た。


「狐。」


姫の声が聞こえた。


「姫。無事だったか。」


儂の問いに・・・


「いや、無事では無い。」

「あの人形は消滅してしまった。夜叉姫を道連れにしてな。」


答えたのは、姫の声で話す大きな黒い獣。昔、儂が怯えて逃げ出した大きな獣だった。

だが、あの時のように瘴気を出し、理性を失っているという事は無い。


「そう・・・だったの。姫は、此方が本当の姫・・・だったの。」


ケモノは頷く。


「なんとか、夜叉姫の念を追い、夜魅やみの王の場所は特定が出来そうだ。」

「だが・・・」


ケモノには此処から出る為の体が無い。

それにケモノの話では、現世において『霧島華音』とこの場にいる為か、儂の存在が無かった事に改変されたらしい。

そうなると、チカラを与えていた花子のチカラも弱くなり、此処に入る事もかなわない。

花子が居なければ、儂がケモノの新しい体(人形)を探す事も出来ない。


「ならば、待つしかあるまい。」

「ここを開けてくれるモノをな。」


多分それが、桃井香奈なんだろうと儂は思う。あの少女は”普通”では無い。何かがある。

きっとケモノもそう信じているだろう。

儂がそう考えていると、ケモノは手をおいでおいでと振り、ちょいちょいと自分の隣を差す。

儂は、狐の姿になり、ケモノの横に座る。


「狐。」

「待っている間、話でもしようか。」


「そうだの、昔みたいに。」

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