『願いが叶う壺』 ~花子の章~ 終
後日。
香奈さんが『霧島華音』にやって来た。
「華音さん、先日はありがとうございました。」
「これ、好物だと聞きました。」
へぇ〜
今時の子にしては、礼儀正しい子だなぁ〜
それに・・・
「おお、『さのや』じゃないか!」
「花子、お茶を頼む。」
華音様の好物の『さのや』も持参である。
『さのや』は華音様の好物なのだ。
私は早速お茶を入れて戻ると・・・
「その『壺』は、まさか・・・」
「『願いが叶う壺』だ。」
「値段は1000万円に消費税。」
もう、華音様・・・本気にしちゃったらどうするんですか・・・
「華音さん・・・あなたは・・・」
「華音様。」
「冗談が過ぎますよ。」
一応、フォローを入れる。
「・・・いっつ、かのんじょーく。」
こういう所が子供っぽいんですよね〜華音様は。
「へ?」
ほら、香奈さんが唖然としちゃってるし!
「大丈夫、あれは抜け殻。」
「『此の手』の『壺』は、悪魔とか妖怪とかを封印するのに使える。」
「つまり商品にするので、代金は問題ないですよって事です。」
「・・・売れる気はしませんけどね。」
値段設定がおかしいですからね・・・
「それより、その後はどうだ?」
「ええ、香織ちゃんに、知真ちゃん葉和ちゃんって双子の子に・・・」
「こんな事ならば、もっと早く話しかけていれば良かったです。」
「そうか、良かったな。」
「それとだな・・・たまに・・・たまにだぞ? 此処に遊びに来ても・・・」
「え?」
くすくすくす
私は思わず笑みが漏れてしまう。
「私達も香奈さんの友達ですよ。って言いたいんですよね?」
「華音さまっ」
「な、花子、ち、違う、『さのや』持って来て欲しいだけで、その・・・」
つられて香奈さんも笑う。
こうしてると、華音様もそのくらいの歳の女の子何だけどなぁ〜
何て言ったら、怒られる・・・かな?