表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『霧島華音・転』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第4章 『自分攻略サイト』 ~一郎の章~
21/45

『自分攻略サイト』 ~一郎の章~ 其の二

9月21日18時40分


『ココロード』到着。


「さて・・・ラーメンは先週食べたな・・・あとは、一心でカツカレーと言う手もあるが・・・」


俺は、夕食を何処で食べるか吟味する。

何を食べるか決めてから来る訳ではなく、こうしてぶらつきながら決めるのが最近のパターンだった。

それにしても、昔は銀座通りと言って活気があった商店街であったが、今はすっかり寂れてしまった。

まず、デパートが無くなり、大型書店も無くなり、スーパーマーケットも無くなった。

そのスーパーマーケットの後にあったのが、先週行った・・・記憶は無いが、行ったらしい『霧島華音』だ。

まあ、何にしても、夕食の選択肢は大分減ったものだ。

結局、一番多いのはラーメン店。あとカレーが有名な食堂と後は・・・

そうだ!

ラーメンを食べ、さらにカレーも食べる。


「逆転の発想だな。」


となると・・・『坂本』だ。

ここは、安い『かけラーメン』というものがあり、なおかつ『半カレーライス』と言うのもある。

今日は、この組み合わせでいこう。

早速俺は、『坂本』に向かう。


「道路を渡り、空き地を抜けて行くのが近道だな。」


空き地の方からは、子供達が遊ぶ声が聞こえる。

公園代わりに使っているのだろうが、柵等がある訳じゃない。

決して、安全とは言えない遊び場だなとは思う。

ほら、実際にボールが道路に・・・なんだ、猫か。

しかし女の子が・・・猫を追いかけて・・・

・・・そのまま道路に飛び出した。


「あぶない!!」


そこからは、まるで時間がゆっくりになったように感じた。

信号は赤な筈だが、トラックがそのまま交差点を通り過ぎて来たのが見えた。

・・・居眠り運転!?

俺は、道路に飛び出す。

女の子を抱え・・・間に合わない。

そのまま突き飛ばす。

女の子は、よろけながら道路の隅で転んで泣き出した。

そして・・・俺の前にはトラック。

ああ、これは死んだな。

トラックの運転手は俺に気が付いていない。当然ノーブレーキ。

思えば、小さい頃に事故で母親と弟を亡くしたな・・・俺も事故で死ぬのか。


(兄貴・・・大丈夫だ。俺が守るよ・・・)


「二郎!?」


そこに、死に別れた弟の姿が見えた気がする。

トラックは直撃を避けるようにハンドルが切られた・・・様に見える。

まあ、直撃では無くても・・・


俺はトラックに撥ねられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ