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『霧島華音・転』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第3章 『黒歴史ノート』 ~花子の章~
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『黒歴史ノート』 ~花子の章~ 其の七

(ステージ4・・・クリア。)

(10分のインターバル後、ファイナルステージを開始します。)


「やっとファイナルステージね。」


「ああ、思ったより苦戦はしなかったが、連戦で前線にある程度の被害は出たようだ。」


「私も、ポーションが心許無いです。」


「其れならば、私のをやろう。」

「後衛はポーションを殆ど使わんからな。」


私達は、ステージ2、3、4とクリア順調にクリアしていった。

登場するボスが、そこまで強くは無かったから・・・なんですよね。

難攻不落と言われた『ガーディアンベータ』も出現したけど、『サテライト』無しのverだったしねぇ♪

何にしても・・・

・・・最後の戦いが始まる。


(ファイナルステージ・・・スタート)


(エマージェンシー・・・エマージェンシー・・・)


「む、いきなりボスか?」


「そうみたいね・・・」


今回は雑魚戦が無く、ボスが登場した。

巨大な要塞・・・とも思える『ベータ』

中央に巨大な砲塔、無数の砲台を持ち、金色に輝いている。

バーチャ○ンのボス・・・みたいな感じ。


『コマンダーベータ『キャノン』』


「・・・いやな感じの名前だな。」


「どうしたんですかぁ〜直哉さん」


「あの名前の感じだと、絶対に変形もしくは、第2形態がある。」


「「「「あ〜確かに。」」」」


まあ、ラスボスなんですから、「私はまだ2回変身を残しているッ」位の事はやって欲しいですよね?

・・・そうじゃなきゃ、面白くありませんから。


「他の皆さんの所はどうなんでしょう?」


香奈ちゃんがそう言うと、タイミングよく『神羅』から『ウインドチャット』が届いた。


「此方の状況を説明する。」

「ベータが無限に沸くステージのようじゃ。」

「故に、他の所には救援には行けん。」

「クリア条件はただ一つ・・・指揮官を倒し撤退させる事じゃ。」


「つまり・・・私達次第・・・って訳ね?」


他の3箇所も同じ状況らしい。つまりは、他のから救援は来ない。

と、言う事ね。


「ならば、さっさと終わらせた方がよさそうだ。」

「直哉、花子は砲台の破壊、香奈は後ろに弾を通さぬようガード、私と香織は巨大砲塔を叩く。」


「「「「了解!」」」」


華音様の指示に、私達は攻撃を開始する。


「行くぜぇ!『ライトニング・スライダー』」


雷撃を纏った大剣にのり、サーフィンのような形で砲台に特攻する。

ロックした相手にある程度ホーミングし、間合いを詰めるのにも使えるスキルである。

つまり、テム○ン。

高所にある砲台に狙いを定めた直哉さんは、それを破壊すると、そのまま隣の砲台にもスキルを放つ。


「やりますねぇ〜『漆黒』」

「こちらも、負けてられませんっ!!『セイクリッド・スキュア』」


私は、光を纏った槍を投擲する。

これも、射程内ならある程度のホーミング性能を持っている。

直哉さんと反対側の砲台を串刺しにし、予め付けてあった自動巻取り式のワイヤーで、砲台までジャンプする。

大型の敵と戦う時のパターンのひとつだ。

そのまま、隣の砲台にもスキルを放ち破壊する。

どうやらこの形態の『コマンダーベータ』は、張り付かれると攻撃のバリエーションが少ないようだ。

張り付いている限り、小型のバルカンでの攻撃しかきていない。

私はそれを、槍を回して防御するスキル『円舞陣』で弾いた。

一方その頃、下では、倒し切れていない砲台とライフルの攻撃が続いていた。


「香奈っライフル多数・・・くるわ!!」


「お任せくださいっ『ゾーンシールド』」

「そして・・・『シールドソーサー』!!」


うぁー香奈ちゃん凄いわ・・・

ライフル弾を『ゾーンシールド』で全て弾いたのち、『シールドソーサー』(通称キャップ)で砲台を破壊とか・・・


「お兄ちゃんっ、花子さん、離れて!!」

「・・・華音さんっ!」


香織ちゃんの声に、私と直哉さんは近接距離から離れ間合いを取る。


「うむ。」


「『クリムゾン・ノヴァ』!!」


「『エクリプス』」


2つの極大魔法が砲塔に炸裂した。

深い闇と紅蓮の炎は混ざり合い、漆黒の炎となり収縮・・・そして漆黒の炎の柱が立ち上った。

・・・うわー、えげつないですねぇ〜

これ、ちょっと巻き込まれたら死ねますよ?


「やったの?」


「いや・・・まだだ。」

「しかし、ダメージはある筈。」

「あの砲塔が、攻撃する前に破壊しよう。」


「おっけ。」


再び、華音様と香織ちゃんは魔法の詠唱に入る。

しかし・・・


「砲塔が・・・動くぞ!!」


(エネルギー充填完了・・・『サテライト』起動・・・)


「あ・・・まずいっ」

「皆さん、私の後ろに!!」


(『サテライト』・・・発射。)


ちょ、『サテライト』って洒落になってないって!!


「『ゾーンシールド』!!」


香奈ちゃんは、襲い来る光の螺旋を拡散させ防いでいる。

ただし、『ガーディアンベータ』の時とは違い、『コマンダーベータ『キャノン』』の場合は、自身の砲塔より放っている為、上からではなく横からの攻撃になっている。

って事は、『ガーディアンベータ』の時の『サテライト』もコイツが打っていてのね。

それよりも・・・


「香奈っ 防ぎきらないと・・・城下町が危ないわ!」


後ろには、拠点としていた城下町がある。いくら城壁があるとはいえ、多大なる被害を出すだろう。


「防ぎきって・・・見せますっ!!『アルティメットシールド』!!」


香奈は『シールド』の多重展開で対応する。

盾スキルと花屋のスキル『フラワーアレンジメント』の複合スキル。

当時、こんな裏ワザは発見されていなかった筈。

・・・まあ、花屋なんて誰も取ってませんでしたからねぇ♪


(『サテライト』エネルギー残量残り10%・・・)


光の螺旋とも思えるレーザーが既に、1分程照射されている。


「あと・・・少し・・・『ハードシールド』」

「あ、あれ??・・・クールタイムは終わってるのに??」


香奈ちゃんは盾スキル『ハードシールド』を多重展開使用と試みたが、発動はしなかった。


「まさか・・香奈っ!」

「『フラワーアレンジメント』のクールタイムの確認!」


「・・・『フラワーアレンジメント』クールタイム中」

「終了まで後15分・・・」


『フラワーアレンジメント』にもクールタイムがあったとは・・・

しかも、残り15分って・・・どんな上級スキルでもそんなには長くない。


(『サテライト』エネルギー残量残り5%・・・)


「香奈っ今張ってるシールドは持つの?」


「残り、10秒程で破られると思う・・・」

「正直・・・ギリギリ・・・」


その時、直哉さんが何かを取り出した。

・・・ポーションの瓶の様な物に見える。


「直哉さん?香奈ちゃんのHPなら全快してますよ?ポーションの効果は無いと思いますが??」


「な〜に、これはある所で手に入れた秘薬さ。」

「ちょっとした、保険の様な物だよ。」


直哉さんは香奈ちゃんにその秘薬を振りかけた。

その行動に気が付いたのは、恐らく私だけだっただろう。

勿論、防御する事に集中していた香奈ちゃん自身に出さえ・・・


(『サテライト』エネルギー残量残り4・・・3・・・2・・・1・・・0)


パリーーーン


「・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁ」


光の螺旋の照射が終わるのと同時に、香奈ちゃんのシールドが破られた。

しかし、螺旋の余波が私達を襲う。

香奈ちゃんは、両手を広げると私達の盾となり、余波をまともに浴びてしまった。


「香奈ーーーーっ」


華音様の・・・今まで聞いたことの無い様な大きな声。

香奈ちゃんはそのまま倒れこむ。

・・・香奈ちゃんのHPゲージはみるみるうちに減っていった。

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