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『霧島華音・転』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第3章 『黒歴史ノート』 ~花子の章~
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『黒歴史ノート』 ~花子の章~ 其の六

『ベータ大侵攻作戦』開始まであと5分。


「総員、配置についたな?」


「我の方はおっけーじゃ。」「『幻影』部隊、配置完了だ。」「『深海』、準備良し。」「・・・・」


「『白狼』、何か言え!!」

「『漆黒』、準備完了だ。」


5ヶ所の迎撃ポイントのうち、本隊以外は『神羅』、『幻影』、『深海』、『白狼』を中心にそれぞれのギルドメンバー達が配置に着く。

私は、華音様、香奈ちゃん、直哉さん、香織ちゃん、と共に本隊の迎撃にあたる。


「って言うか、風属性の魔法・・・案外便利ね。」

「これがあれば、すぐに凍夜兄さん(直哉)と合流できたのに・・・」


離れた場所のフレンドと会話する風属性の魔法『ウインドチャット』。

風属性には、補助的な魔法も多いが、私も華音様も・・・どうやら、香織ちゃんも使えない様。


「ギルマスの必須スキルじゃぞ?」

「兄と”イチャラブ”プレイばかりしておるから・・・」


「し、してないって!!」


『神羅』と香織ちゃんは、雑談している模様。

それにしても・・・


「まったく、緊張感がありませんねぇ〜」

「あ、華音様、お茶です。」


私は、質量を無視して収納できる謎の袋から、テーブルにイス、さらにティーセットを取り出し紅茶を入れる。


「うむ、頂こう。」


「花子さん達も緊張感ないからーーー」


香奈ちゃんの全力のツッコミが炸裂した。


『ベータ大侵攻作戦』開始・・・ステージ1・・・スタート。


「皆の健闘を祈る。」


「「「「了解ッ!!」」」」


この『ベータ大侵攻作戦』は、5つのステージに分かれている。

それぞれのステージで侵攻してくる『ベータ』を殲滅させるというものだ。

そして、最終ステージには、各所ボスが出現する。

メインとなる『ベータ本隊』の所には、『ベータ指揮官』が現れ、

それを含む各所全ボスの撃破ができればクリア・・・らしい。

だって、誰もクリアしたことが無いんですから・・・


「『ベータ』確認・・・近接タイプ20です!」


「まずは小手調べって訳か・・・」

「俺と香奈、花子さんは、前衛・・・香織、華音さんアタック宜しく!」


直哉さんの声で私は、前線に駆け出す。

本来4人までパーティーが組めるのだが、今は5人の為、私と華音様と香奈ちゃんの組と直哉さんと香織ちゃんの組、3:2でパーティーを編成している。

ここで問題になるのが、HPの管理。2パーティーになっている為にパーティー間ではHPの目視が出来ない。


「全員のHPが目視が出来ない状況なので、華音様と、香織さんはHPの管理の情報共有をお願いしますね〜」


「言われんでも、分かっておる。」

「彼の者たちの動きを封じよ!『シャドウバインド』」


華音様の得意な闇属性魔法。その中でも数少ない補助系魔法。

無数の影が、『ベータ』の動きを封じる。


「燃やし尽くせ紅蓮の業火・・・『クリムゾン』!!」


そこに香織ちゃんの火属性魔法が炸裂。

中心程威力の高くなる魔法である『クリムゾン』。しかし外周部分は、何体かの『ベータ』が残った。


「雷光一線・・・『スラント』!」


「雷槍一線・・・『スライド』!」


私はそのうち、右側の『ベータ』に出の早いスキルを叩き込む。

逆サイドの『ベータ』は直哉さんの『スライド』の対となる大剣スキル『スラント』で一掃される。


「この、『烈光』の技の冴え・・・見たか!」


私は、『グングニル』をヒュンヒュンっと回し、ポーズを決める。


き、決まった・・・私、めちゃくちゃかっこいいわ・・・


実は、この動作も『演武』といって、槍のスキルで次の攻撃の攻撃力及び効果範囲を上げるだけどね。


「花子さんっかっこいいです!!」

「っと、来ますっ近接20に遠距離タイプ10・・・」


ヒュンヒュンヒュン・・・


遠距離タイプ『ベータ』のレーザー攻撃が降り注ぐ。


「通しませんっ!『ゾーンシールド』!!」


香奈ちゃんは盾スキルで、全ての攻撃を防ぐ。

・・・香奈ちゃん、相当の盾使いだねぇ♪

ならばこちらも・・・


「必殺の一撃を受けよっ! 『スライド・エンド』!!」


先程の『スライド』をさらに高威力、広範囲にしたスキルを放つ。


「やるな!『烈光』!!」

「こちらも行くぞ・・・『ハイ・スラント』!!」


直哉さんは、またも対となる大剣のスキルを発動する。


直哉さん、わかってるわ〜♪

うんうん、凄くかっこよく決まった♪


「なんか、前の方が楽しそうだな。」


ごめんなさーい、すんごく楽しいでーす♪


「お兄ちゃんの浮気者ーーーーッ『ヴォルケーノ』!!」


巻き起こるマグマの渦が遠距離タイプを焼き尽くす。

ちょっ香織ちゃんっ危ないって!


「・・・妹よ・・・浮気者って表現に疑問を感じるのだが・・・」


「気にしたら負けっ!」


「ブラコン・・・」「ブラコンだよね?」「ブラコンだな。」


ここにきて、香織ちゃんのブラコン説が浮上。

普段の香織ちゃんは、どちらかと言うと”お姉さんキャラ”だから、ギャップが可愛い。


(エマージェンシー・・・エマージェンシー)


そんな事を考えていたら、ステージボスの登場。


「なんだ、『サイクロベータ』じゃない。」

「復活怪人は、雑魚なのよっ『クリムゾン・ノヴァ』」


「うむ、『エクリプス』」


「だよなぁ・・・『シャイニング・エッジ』」


出現するや否や、スキル、魔法を叩き込まれる『サイクロベータ』

うん、ちょっと『サイクロベータ』は今更感があったよね。


(ステージ1・・・クリア。)

(10分のインターバル後、ステージ2を開始します。)


あっさりと、ボスを撃退。


「・・・ところで、復活怪人ってなんですか?」


まあ確かに・・・復活怪人何て言っても、分からないよねぇ・・・

ちょっと年齢がバレる・・・

・・・

・・・

一人取り残される香奈ちゃんに対し、あはははは〜と、乾いた笑いしか出来なかった。

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