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初めの言葉

「恐怖は人類の最も古い感情である」ラヴクラフト


 突然、こんなことを書いて申し訳ないが、祖父が死んだ。午前十二時前後に死んだから、今日死んだかもしれないし、昨日死んだかもしれない。とにかく、祖父は死んだ。

 祖父は後五年生きれば、一世紀生きたことになっただろうに、非常に惜しい気もする。高齢者である祖父を死に追いやったのは、老いでも、病気でも、事故でもない、私だ。私自身が祖父を死に追いやった。つまり、私が祖父を殺した。

 だが、それは祖父の遺言故の行為だ。その気になれば、祖父を生かすこともできたが、祖父は私に「それ」になったら自分を殺すように指示した。だから、それに従った。祖父の遺体はもうすぐ自衛隊が回収しに来る。「それ」の死体は埋葬することなく、政府が用意した施設で処分されることが政令として全国民に義務付けられた。反対の声もあったが、政令に従う者が圧倒的に多い。誰も彼も「それ」になることを恐れているのだろう。

 さて、私がこうしてペンを握って記事を書いているのも、祖父の遺言故だ。祖父は事実を記録に残すことで、私たちの町で起きた惨劇を後世に伝えていこうと決心し、多くの者に取材していたが、不運なことに「それ」に噛まれてしまい、「それ」になるのも時間の問題だった。

 だから祖父は自分の義務を私に託したのだ。

 今、私の手元には祖父のノートが山のようにある。全て、取材したときの記録だ。私も祖父の熱意に感動している。弱りきった体を必死に動かして、こうして取材していたのだ、決して無駄にしてはいけない。

 さて、本題に入る前に私の住む町について紹介しよう。これから紹介する、多くの者の舞台でもあるからだ。

 私の町は、そう、田舎とは言えないが、都会とも言えない。公務員以外のちゃんとした仕事はなく、ここでつける仕事といえば、アルバイトレベルのものばかりで、正社員として働けるのは、小さな企業や工場くらいだった。

 だから多くの住民は仕事のために電車で都会に出る。仕事が終われば電車で家に帰る。そんな生活を送っていた。

 ここにいる人々は仕事熱心なものばかりだ。多くの人々が金持ちになりたいと思い、様々な職業についていた。どこの飲食店に行っても、多くの大人は仕事の話ばかりで、プライベートに関する会話をするグループがむしろ希なくらいである。

 また、この町では大きな事件が少ない。少ないが故に、どんな些細な、例えば万引きであれ、放火であれ、強盗であれ、自殺であれ、大きな関心を示す。殺人事件となれば、数週間はその事件の話題がこの町を占領する。それほどまでに、ありとあらゆる事件が、この町では興味の対象となる。

 以上が私の知っている町の特徴だ。これ以外にこの町の特徴は多くあるだろうが、私はそれほど知らない。そもそも、私はあれが起きるまで、いわゆる引きこもりというやつで、自分の世界に閉じこもっていた。だから、あれが発生した時も、私は普通の人より遅くその情報を知り、知った時には手遅れな状態になっていた。だから、私はこの町を紹介するには不適任な人物である。それでも知っていることは書いた。

 さて、そろそろ本題に入ろう。

 まず、事の始まりは小さな、本当に些細なことだった。些細なことだったが、やがては大きなこととなった。あんな小さなことが、ここまで大きくなるとは、誰が思ったのだろうか。

 

朝に読んでいる方はおはようございます、昼に読んでいる方はこんにちは、いるに読んでいる方はこんばんは、最近アニメを見て厨二病を発症した作者です。

この作品はある日突然「厨二病が感染する病気だったら何が起きるのだろう」と思い、妄想した物語を元にそれをゾンビ(的なもの)に置き換えたものです。文才はないですが、楽しんでいただければ幸いです。

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