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スペースリザード大冒険~序章~
「ええい、もっと速くこがぬか、ゲーサン!! このままではあの目の前に見える青く美しいかわからぬ星に墜落してしまうぞ!!」
「げっげ!!」
ゲーサンと呼ばれた緑色の人間大の蜥蜴が必死にチャリをこいでいた。その瞳はどこかつぶらに見えた。
「あかん、墜落してまう。このままでは大気圏なるモノにつかまり、燃え尽きてしまう!! ワガハイ、燃え尽きるなら青春の一ページで燃え尽きたいのに……!!」
よく分からないセリフを吐き出す茶色の人間大の蜥蜴。二足歩行である。
「げげっ!!」
そのセリフに応えたのか、ゲーサンがチャリをこぐスピードを上げた。このチャリ、実は宇宙エンジン“メガ押し”に繋がっており、これで遙かなる星の大海原を航海してきたのである。大気圏突入に耐えうるエネルギーがたまった。
「デンジャー!!」「ワーニング!!」
奇妙奇天烈な電子音声が流れ出した。
「あ、堕ちる!!」
大気圏を突破し、蒼く美しい星に異物が落下した。
続くと思うかい?
きっと、永遠の序章。永遠に序章。