表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖なる龍達の伝説 -The Legend of Saint Dragon's-  作者: 四十茶
第1幕:誰が為に彼らは征く
1/7

プロローグ


かつて彼らは暗い世界のそこで生きていた。


理由は分からない。


だが、その外が美しく、明るい世界であったというのは覚えている。


自分たちはそこの“カミサマ”とやらに捨てられたのだ。


やがて、強大であった彼らの中にさらに強大な者達が生まれた。


その者たちは自らの力を使い、暗い世界とは別の世界を創る事を決意する。


そしてついに、彼らは自らの世界を獲得したのであった。


それから幾星霜の時が流れ、やがて彼らは自らを殺し合う凄惨な戦いを行い、居なくなったとされる。


全てのものは“始まり”が有り、“終わり”が来る。


その“終わり”が再び“始まり”へと変わる。


コレは、新たな“始まり”を担う者たちの永い戦いを記した物語である。




              聖なる龍達の伝説 -The Legend of Saint Dragon's-


                     第1幕:誰が為に彼らは征く


                         プロローグ



世界の変化は唐突に訪れた。


2009年のリーマンショックより続く世界的不況により各国は混乱し、秩序が徐々に崩壊し始めた世界は2015年からそれを加速させていった。


西暦、2020年。


アメリカ合衆国首都:ワシントンD.Cに“黒い竜”が現れた。


紅蓮の色に染まったその(まなこ)は怒りの炎を湛えていた。


黒い竜は果てしなく暴れた。

炎をまき散らし、家を薙ぎ払い、ビルを粉砕する。

さながら、ヨハネの黙示録に登場する災厄のラッパを吹く天使の如く。


数々の都市を砕き、人を踏み潰し、焼き払った黒い竜は数々の国を渡り、やがて導かれるかのように日本列島へと上陸した。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


その時、私は東京のビルを砕いて進む黒い竜が哀愁を漂わせている事に気付いた。

だがそれ以上に新宿の都庁を粉砕するその姿が猛々しいと感じた。


しかし、それを唐突に終わらせる存在が突然現れた。


突然、天空が白い光に包まれたと思われたその時、一閃の雷光が降り落とされたのだ。


白い雷光は黒い竜に突き刺さり、凄まじい爆発を引き起こした。


当たりは一面、文字通り消滅した。

まるで隕石が落ちたかのようなクレーターが一つ、残されていた。


間入れず、新たな衝撃が私に、いや人類全てにもたらされた。


光の球がゆっくりと舞い降りてきた。


さながら、天孫降臨と見間違ったと誰もが思ったであろう。


やがて、光が収まりだし、光源の正体がハッキリする。




私はその姿に再び衝撃を受けた。



美しい天使を彷彿とさせる一対の翼を持つ竜。


あの黒い竜とどこか似た雰囲気を持ちつつ、しかし全く違う姿をした存在。


人々はそれに心奪われた。


伝説は実在する物として心に刻み込まれた。


同時に、私はそれを追い求める事を決めた。

それほど私は“彼女”に心奪われたのである。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


裁きを下す者(コンヴィクター)



黒い竜(フューリーサウルス)と共に白き存在はそう呼称され、人類を新たな時代へ(いざな)った。



黒い竜(フューリーサウルス)|の出現に伴い、世界は急速的に統一への動きを歩み始める。

それは新たな戦乱を呼び起こし、多くの悲劇を呼び込むことになる。

だが人類はそれでも前に進んだ。




200年が経過した現在、世界はようやく安定し、平和がもたらされるのであった。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ