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魔法の壺  作者: 鏑木恵梨
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21/168

02.12月24日(木)

宛先:白河たかなり

Cc:

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件名:おめでとうございます


県会議員、再選おめでとうございます。

たまには苅野に帰ってきて、母と顔をあわせてやって下さい。

事前にご連絡いただければ、自室なりコンビニなりに行っています。


以上



  *  *  *



「白河、藤生の荷物、頼むな」


 藤生君に渡すのは……課題のプリント、通知票。上履きもか?

 毎度、世話を焼かせるやつだ。

 これがあるから毎年俺は藤生君と同じクラスなのかもしれない。三年も同じクラス、もしかして高校も同じところ受験せなならんのやろか。成績からしてそうなるやろな。高校も同級生……想像したないな、マジ勘弁。

 といっても来年、藤生君は苅野にいるんやろか?

 などと思っているうちにいいカモがやって来た。


「天宮さん。これ」

「藤生氏に届けろって?」


 一見イヤそうでも手は先に出ている。


「藤生君の通知票、笑えるくらい学習欄と生活欄のギャップがすごいで」

「さいてー。他人の勝手に見るかなー」

「毎度のことやって」


 人のこと、さいてー扱いするくせ、かなり興味深そうだ。

 また例の公園に顔出すかも、と彼女に告げると、彼女はぷうーっとふくれっ面に。

 は? 俺、なにかした?

 この子と会話すんの、なんとなく疲れる。

 軽いものは天宮さんに預けるとして。かさばるものは藤生君の家に直接届けることにする。置きっぱなしのブツ……藤生君の体操服や体育館シューズをまとめていると、後ろから鹿嶋が、


「おまえ苦労性やろ」


 ……一瞬、鹿嶋への殺意が芽生えた。

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