02.12月24日(木)
宛先:白河たかなり
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件名:おめでとうございます
県会議員、再選おめでとうございます。
たまには苅野に帰ってきて、母と顔をあわせてやって下さい。
事前にご連絡いただければ、自室なりコンビニなりに行っています。
以上
* * *
「白河、藤生の荷物、頼むな」
藤生君に渡すのは……課題のプリント、通知票。上履きもか?
毎度、世話を焼かせるやつだ。
これがあるから毎年俺は藤生君と同じクラスなのかもしれない。三年も同じクラス、もしかして高校も同じところ受験せなならんのやろか。成績からしてそうなるやろな。高校も同級生……想像したないな、マジ勘弁。
といっても来年、藤生君は苅野にいるんやろか?
などと思っているうちにいいカモがやって来た。
「天宮さん。これ」
「藤生氏に届けろって?」
一見イヤそうでも手は先に出ている。
「藤生君の通知票、笑えるくらい学習欄と生活欄のギャップがすごいで」
「さいてー。他人の勝手に見るかなー」
「毎度のことやって」
人のこと、さいてー扱いするくせ、かなり興味深そうだ。
また例の公園に顔出すかも、と彼女に告げると、彼女はぷうーっとふくれっ面に。
は? 俺、なにかした?
この子と会話すんの、なんとなく疲れる。
軽いものは天宮さんに預けるとして。かさばるものは藤生君の家に直接届けることにする。置きっぱなしのブツ……藤生君の体操服や体育館シューズをまとめていると、後ろから鹿嶋が、
「おまえ苦労性やろ」
……一瞬、鹿嶋への殺意が芽生えた。