脱走
【緊急事態!!大至急NO.0035が脱走!総員確保に全力で臨め!】
「お~…手が早いこと…もうか…」
シマシマの囚人服を来た男が、ロッカーの中から様子を見ていた。
胸にはNO.0035、背中には切断者【オートブレード】と書かれ、その下には星が三つあった。
「……早く収まんないかな…」
目の前を武装した隊員が走っていく。
(どうするかな………!これ着るか)
ロッカーにあった、ここの監獄の隊員の制服があった。
中で囚人服を破り、制服に着替え、成り済まして出て行った。
「おいお前!」
(早速ばれたか……)
「早く外の様子を見て来い!万が一にも逃げてるかも知れないからな…」
自然と外に出れる口実を見つけ、喜んで走って行く。
隊員は、武器を男の背中に向けた。
「おい!動くな!!
それは、オレら隊長クラスの制服!命令を何故素直にきいた?」
(頭が良いこと……)
ゆっくりと歩き、銃を背中に突き付けた。
NO.0035は、両手を上げた。
右手には、五本の指輪を付けていた。
「おとなしくするんだ」
「こっちのセリフ」
薬指にはめていた指輪が赤く輝き始めた。
光が収まると、右手には鍵の形をした刀を握っていた。
「動くな!」
「…お前がな……」
刀が隊員を通り過ぎると、まったく動かなくなり瞬きすら出来なくなった。
「それじゃあな…」
この後、隊員が発見されたのは、NO.0035が逃げて三時間後…だった。