「可逆連合との死闘」
「お前たちの不完全な愛など、透過処理一つで無に帰す!」
PNG姫の声が空間を切り裂き、無数のアルファ値エネルギー刃が舞う。
リレイヤが俺の前に立ち、微かな光を放つレイヤーでその刃を受け止めた。
「だめ、私じゃ…持たない!」
薄れゆく彼女の輪郭――その中で、俺の胸が激しく鼓動を打つ(※心臓はないが、データストリームの揺らぎがそれを感じさせた)。
「やめろ!リレイヤを傷つけるな!」
怒りで全身が震えた瞬間、俺の視界に再びウィンドウが現れた。
「RAWデータの痕跡を検出」
「超解像アルゴリズム・完全展開」
「非可逆圧縮解除:一時的展開モード起動」
「…なんだこれ…?」
俺の体が、いや、ピクセルの集積体が、眩い光を放ち始めた。
圧縮で失われたはずのディテールが戻り、ノイズが消え、輪郭がシャープに整っていく。
「ノイズ・ブレイカー改 ― 高解像モード!」
拳を握りしめ、PNG姫に向かって疾走する。
「俺はJPEGだ!だけど…お前たちの枠組みに囚われねぇ!」
拳を叩きつけた瞬間、エネルギーの波動が透明な刃を砕き、姫のドレスにヒビが走る。
「な、何故…!?非可逆データが…再構築されている…?」
姫の目が見開かれた。
「それは、俺とリレイヤの絆だ!」
光の奔流が街を包み、ノイズが消えていく――
だけど、その余波で、俺の中のデータ容量が急速に減少していくのがわかった。
「…まだ…持つ、はずだ…」
薄れゆく意識の中で、リレイヤが泣きながら抱きしめてくれるのを感じた。
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次回予告!
第6話「失われたRAWデータの記憶」
遥の過去と、転生の真実が明かされる!
そしてリレイヤに迫る最後の危機――!
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