GIFガーディアン襲来!
「来るぞ!気をつけて!」
リレイヤが叫んだ瞬間、ビルの向こうから、無限ループの稲妻がほとばしった。
巨大なGIFガーディアンが、無限フレームの閃光を撒き散らしながら迫ってくる。
そのボディは最適化されたアニメーションパターンで構成され、見る者の意識を奪う。
「データは繰り返されるべきだ。有限の愛など、無限ループの前では無価値だ!」
機械的な音声が響くたび、周囲のJPEGたちは次々と破損していく。
「だめ…このままだと、消される!」
リレイヤが手を伸ばすが、そのレイヤーは不安定に揺れていた。
彼女の中の透明な輝きが、削がれるように淡くなる。
「リレイヤ!」
俺は叫んだ。だけど、何もできない。俺はJPEG、非可逆のデータクズなんだ…。
その時、胸の奥で何かが点滅した。
「……再構築……再構築……」
画面の隅に、かすかなウィンドウが浮かぶ。
「超解像アルゴリズム起動」
「ブロックノイズ低減モード開始」
「な、なんだこれ…!?」
全身を駆け抜ける熱――いや、圧縮されたデータの伸長。
俺の画素が広がり、欠けたディテールが次々と復元されていく。
「俺は…まだ終わっちゃいない!!」
拳を握りしめ、GIFガーディアンに突撃する。
無限ループの稲妻が襲いかかる中、俺は初めて自分の力を発揮した。
「JPEG超解像――ノイズブレイカー!!!」
閃光が迸り、GIFの装甲に亀裂が走る。
リレイヤが目を見開き、呟いた。
「…あなた、本当にJPEGなの…?」
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次回:
第4話「ノイズの中の約束」
二人の距離が近づく。リレイヤの秘密、そして遥の中に眠る「RAWの残響」の謎が、少しずつ明かされる――。