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第三章 面白いね

十二月十六日。

 私は今日、お母さんと一緒にあるところに来た。

 建物の看板を見上げる。

「心のふれあいセンター」


1

 私はある扉の前にいる。その扉には、小さい額縁ほどの大きさの看板がかけられている。

 

 心理カウンセラー室


 「じゃあお母さん待ってて。」

 「はい、緊張しなくて大丈夫だからね。」

 お母さんはそう言って、ニコッと笑った。 

 私はその看板がかけられた扉を三回ノックする。

 コンコンコン

「失礼します。」


2

「こんにちは。」

 私はカウンセラー室に入り挨拶をした。

 カウンセラー室には小さい机とその机を挟むようにして二脚の机が置いてあった。そして、壁一面には本棚があり本がびっしり詰まっていた。

 それについて私が感心していると椅子に座った男の人が挨拶をした。

「こんにちは。今、椅子をどけますね。」

 そう言いながら原さんは急いで椅子をどけ

た。

「ありがとうございます。」

 私はすぐにお礼を言う。

 すると、男の人がすぐに自己紹介を始めた。

 「僕の名前は原真はらまこと。心のふれあいセンターの心理カウンセラー室で働いていますっ。好きな食べ物は…オムライスかな!かわいいでしょ!一応これ、名刺渡しとくね。よろしくぅ。」

 そう言って私に名刺を渡してきた。 

 そして、私もすぐに自己紹介をした。

「私の名前は坂本こころです。中学三年生です。よろしくお願いします。」

 自己紹介が終わるとすぐに本題に入った。

 「じゃあ早速聞くんだけど、今日はどうしてここに?」

 「ちょっと相談したいことがあって。」

 「どんなこと?」

 私は答えた。

 「学校でいじめられていて…学校に行きたくないんですけど、勉強においていかれるのは嫌なのでどうにか学校に行きたいんです。でもどうしたらいいか分からなくて…」

 そして原さんは私に質問をする。

「じゃあつまり、いじめられていることを助けてほしい訳じゃなくてぇ、どうやって学校に通えばいいか。というアドバイスをしてほしいんだね。」

 私は答えた。

 「そうです。学校に行かなければ正直いじめのことは解決します。なので今の学校に行かないでも勉強ができる環境がほしいんです。」

 「なるほどねぇ。分かりやすい説明ありがとう。それだったら色々方法はあるね。例えばぁ、通信学校とかぁ、転校とかかなぁ。」

 今、私気づいたことがある。

(この人語尾がすごく伸びている。面白い人だな。)

 私は少し面白くてニコッとした。

 そして原さんが元気な声でこう言った。

 「まぁ!一番のおすすめはこの心のふれあいセンターのフリースクールがおすすめだよぉっ!」

 (うわっ。最後の語尾が少しはね上がった。いやそれよりも。)

 「ここフリースクールもあるんですか?」

 私は少し嬉しい気持ちで聞いた。

 「そうだよっ。勉強もできて、友達も優しい!勿論先生もねっ!」

 「本当ですか?」

 私は聞いた。

 「本当だよっ!まぁ、心配ならまずは体験入学だけでもおいでっ!そこから入るか検討してもいいしっ。あっ。でも、一つだけ言い忘れてた。こんなこと言っといてなんだけど無理はしないでね。前提として、もしこころさんが人とも関わりたくないんだって言ってお家で勉強する選択をしてももちろん否定しないよ。応援する。だから今のは勧誘している訳じゃなくて、心理カウンセラーとしてこころさんに最適な選択肢の提案をしてあげているだけ。その選択肢からどれを選択するかはこころさん次第だよっ!」

 私は原さんの言葉を聞いて、何となく安心した。

 私のために沢山考えてくれているし、応援もしてくれる。

 原さんは続けた。

 「危ない。危ない。心理カウンセラーとしての立場を失うところだったぁ。さっきのままじゃただの勧誘おじさんだったねぇ。」 

 「ふっふふふ。」

 私はいつの間にか笑みがこぼれていた。

 「あっ!笑った嬉しいぃ!」

 「原さん、すごく面白いね。」

 私はそう言って笑った。

 「ふふっ。ありがとう。」

 (なんかこの人と話してたら嫌なことも忘れる。思ってた心理カウンセラーとは違ったけどこの人すごく話しやすいし、いい人。)

 そんな風に楽しくお話ししているとすでに午後五時を過ぎていた。そろそろ帰る時間だ。

 「原さん、私そろそろ帰る時間になります。

今日はどうもありがとうございました。

 私は頭をさげた。

 「いえいえ、こちらこそぉ!今日はありがとね。」

 私は車椅子をドアの前まで運んだ。そして、振り返ってこう言った。

 「また来てもいいですか?」

 原さんは答える。

 「もちろん、いつでも待ってるよ。」


2

 午後五時半。

私の名前坂本枝美子さかもとえみこ

 さっきまでいた心のふれあいセンターの帰り道、私はこころの車椅子を押して家に向かった。

 「先生は優しかったかい?」

 私は聞いた。

 「うん。すごく優しかったよ。しかも、面白いの!語尾が伸びたり、跳ねたりするの!」

 こころがそう答えて私は思った。

(こころがいつもより喋ってくれる。しかも、すごく元気。連れていってよかった。)

 そして、こころは続ける。

 「それでね、お母さん一つお願いを聞いてほしい。無理なら大丈夫だから。」

 「いいよ。お願い、言ってごらん。」

 私はこころのお願い事を聞いた。


「私、心のふれあいセンターのフリースクールに通いたい。とりあえず体験入学だけでもいいから。」


 私は少し迷った。しかし、私は同時に信用の心も少しあった。さっきのこころの感じ、きっと先生と話していて楽しかったんじゃないかな。そう思った。

 だから、私はこう言った。


「じゃあ、まずは体験入学からね。」


 

 


 

 


 






こんにちはm(._.)m鋤沢輝(すぎざわてる)と申します。

この作品は僕のデビュー作になります。

第三章はいかがだったでしょうか。

もしよければ感想 • 意見お願いします。

誤字 • 脱字などのミスも指摘いただけたら大変ありがたいです。

質問はできる範囲で答えたいと思います。

 第三章では、こころは原さんと出会い楽しく会話を交わしました。二人の会話には思わず書いている自分もニコッとしました。

素敵な会話です。

 第四章では、いよいよフリースクールに体験入学します。フリースクールにはどんな人がいて、どんなドラマが待っているかな?

 ぜひ第四章も見ていってください。

 よろしくお願いします。



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