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喫茶 MADOROMI  作者: アリエス
2023年3月から…
8/23

2023年4月4週間目

2023年4月4週間目の火曜日。私は失業保険の認定と仕事探しをするため、職安に来ていた。職員との面談後、施設内にあるパソコンを使い、求人票を見ていた。”やってみたい仕事…”が思い付かない…長く1つの仕事をやり続けていた為か、何がしたいのか、私には分からない。身体の事もあるから、長時間労働は厳しいけど、働かなきゃ、今後の生活が…。とりあえず、身動きが出来るのは5月以降…それ迄は見つけたい…。お?…と思う仕事はあった…好条件だったけど、時間が合わない…。パソコンと睨めっこ…時間だけが過ぎ、結局見つからず途方に暮れていた。

施設から出て、駐車場に向かう際、スマホがなった。”メールか…また、お知らせかなぁ…あれ要らないんだよね”そう思いながら、車に乗り込み、鞄からスマホを取り出し、画面を確認…山のような通知…思わず、要らねぇ…。と声に出してた。その中にあったメール。前職の別の部署の上司からのメール。その内容に、私は目が釘付けになった。メールの内容は”もし、君さえ良ければ、私の助手で働かない?”私は、慌てて、メールを返した。”やる。やりたい!私に出来る事があれば!”と…。メールであらかたやり取りをし、スマホを置いた。思わず、車の中で1人喜んだ。スマホの時計はお昼の12時を過ぎていた。”あのお店”行こう。車で30分、お気に入りの音楽を聴きながら運転。あの交差点は相変わらず赤。。”あのお店”…喫茶店に着いた。駐車場に車を停め、ふと、フロントガラス越しに、お店の出窓が目に着いた。小さな花瓶に花が飾られている。車を降りて店内へ。”カラカラ”乾いたドアベルの音。”いらっしゃい”

「こんにちは…」

マスターは私の顔を見て、”コーヒーかな?”と聞こうとする前に、私が「コーヒーください。」と話したから少し驚きながらも優しく微笑みながら

「畏まりました…君、今日は顔色がいいね。」

マスターはコーヒーを淹れ始めた。豆を挽く音…お湯が沸いてくる音…その”音”に癒されている。コーヒーが出来ると、マスターは”お待たせ”とコーヒーカップを私が座る、テーブルにそっと置いた。

「すっかりそこのが”指定席”になったね。」

マスターの言葉に、私も今気が付いた。

「…そうなんですか?…」

カウンター席左側から2番目の席。私はコーヒーカップを口元に運び1口…今日のコーヒーは少し苦味が強く、だけど、甘さも強く感じた。

「…落ち着く…美味しい…。」

声に出してはっきりと私が話したのを物珍しい目でマスターは見ていた。

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