2023年4月2週間目
2023年4月2週間目。私は、アパート近くの本屋にいた。前からの趣味の読書。仕事辞めて、相変わらず読書に精をだしている。近所の本屋には、私の欲しい本が沢山あり、どれを読もうかいつも迷う。私の読む本はエッセイ小説と推理小説。後は気になる本があれば買うと言う感じだ。昨年、体調を崩して、しばらく休職した。入院中、時間あるからなと思って、社会人になって5年の頃に買った小説が読みたいと思い、本屋で探した。1度購入したけど、実家を別の土地に新しく建て替えし、引越しの際に誤って捨ててしまった。新しく買ったその小説を読んだ。そして、今まで読んだ小説の中で、私の1番好きな小説になった。本を2冊購入し、本屋を出た。車の助手席に鞄と本を置いて、私は”あのお店”に向かう。前回、”あのお店”が喫茶店だと知ったのは、店内に入ってからだ。その”お店”の人らしき男性は私が緊張し固まってるのを見て、微笑みながらも困り顔も見せて、こう案内した。
「好きな席に着いていいよ。…君、初めての方だね。まだ…若いのかな?」
私はその”お店”の男性…マスターに言われ、おずおずと席に着いた。カウンター席は全部で5席あり、私は向かってカウンター席の左側2番目の席に着いた。席に付き、マスターはカウンター内に入りメニューを取ると、私に手渡した。
「ここに書いてあるのみになるからね。」
メニューはこう記載されている。
飲み物。コーヒー・ブレンド
紅茶、緑茶、ジュース
軽食。お任せのみ。
シンプルなメニュー…私はコーヒーを注文した。 マスターは”畏まりました”と話すと、1度カウンターの奥へと下がった。マスターがカウンターの奥に下がったのを見て、改めて店内を、見渡した。カウンター席右側には小さな窓がある。窓を正面に右側にはボックス席。左側には大きな本棚。先程マスターが立っていた場所…。今度はカウンター席の左側に目を移すと、出窓があった。出窓を正面にして、右側には丸い木のテーブルとイス。左側にはドアがあり中心部より上には、”rest room”と木の表示…よく見渡せば私の好みのお店…”かたん”小さな音が聞こえて、我に変えるとカウンター内にマスターがコーヒー豆の入った瓶を手にしカウンター内に戻ってきていた。
「ごめんね。静かにしようとしたんだけど…これから、コーヒー豆を挽くから時間大丈夫かな?」
私には時間が沢山ある…”はい”と返事を返すとマスターはコーヒーを淹れ始める。豆を挽いて、コーヒーを取り出す。カウンター内には小さなコンロがありそこでお湯を沸かしていた。沸かしたお湯をコーヒーをセットした小さめのデカンターに注ぐ…”コポコポ”と優しい音と共に、湯気とコーヒーの香りが店内に広かった。
「いい香り…。」
カップに注がれたコーヒーをソーサーにセットし、そっとマスターが私のテーブルに置く。私はコーヒーカップを手にし、そっと口元に運んだ。1口飲むと、程よい苦味の中に甘さがありその後、香りが抜ける…。
「美味しい…。」ポツンと呟いた私をホッとした様子でマスターは見つめていた。