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喫茶 MADOROMI  作者: アリエス
2023年3月から…
4/23

2023年3月4週間目

2023年3月4週間目の土曜日。朝から整骨院に行く。前から腰が悪い私は、何度か整形外科を受診したものの、あまり良くならずにいた。何度か勤務中に腰を痛めては早退し、その度に寝込む。辞める1か月前に、腰をまた痛めてしまい、それでも鎮痛剤の座薬を使用して、出勤したが歩く事も、座る事も、出来なくなり、早退する事に…。その際に上司から紹介されたのが、今の通院している整骨院だ。施術を受け、会計中…。

「まだ不安期なのでしばらく通院して下さい。血の巡りが良くなってますので、水分を沢山取って下さいね。…次回は何時にします?」

身体の大きな先生は、見た目とは裏腹にとても優しい口調で話す。人は見かけによらない。と思いつつ、次の予約を入れる。

「次は4月の…」

整骨院を後にしアパートへ帰る。

「ただいま。」

アパートの玄関を開けると、慌てた主人が居間から飛んで来た。玄関で私の顔を見るや否や

「ドコ行ってたの?起きたら居ないから心配したんだよ。」

私はポカンとしつつも「今日、整体。」と話すと主人は”あぁ…”と安心した様な顔を見せた。居間に戻り、ふと台所を見ると、洗い物がそのまま。

「朝食べたんだね。今日、午後から出かけてきていい?」

鞄を長椅子に置きながら話す。主人は”珍しいな”

と言う顔をしながらも、”いいよ”。と了承してくれた。何時もならさっさと手洗いし、部屋着に着替えて、ダラダラしているからだ。行先は主人には告げない。何かあったら連絡するのも私の癖。

「お昼は焼きうどんにするけどいい?」と話すと、子供みたいに喜んでいた。

ちょっと早めのお昼を食べて、少し食休みしてアパートを出る。

車を運転しながら”あのお店”を思い出していた。

先週の火曜日、実家から”あのお店”に向かった。実家近くの交差点から左に曲がり少し車を走らせると、その”お店”はある。この前は買い出しの帰りだから右折、今回は逆方向から来たから左折。”お店”前には小さな駐車場があり、その奥に建物がある。”お店”の駐車場に車を停め、フロントガラス越しから建物を見た。小さな古い”お店”…一瞬、廃業してる?と思わせる様な外見。建物のドアには”CLOSE”と吊り看板がかけてある…ドアには白い貼り紙が…車から降りて、貼り紙を読んだ。

「しばらくお休みします。営業は4月から。」

となっている…。

私は、”…やってるんだ…この”お店”…”と呟きながらしばらく貼り紙の前に佇んでいた。

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