閑話 創世神話
少女がいた。そこは何もない世界。光は届かず暗闇で、寒く凍えた世界。
生き物は生きることが許されない暗闇と極寒で支配されていた。
この世界にいるのは少女のみ。少女はその何もない世界で何をするわけでもなく、ただそこにいた。
その世界に4人の男女が現れる。
赤の男は太陽を作った。暗闇に支配された世界を照らし、凍えた大地を温める。
青の女は海を作った。何も産まれない世界から命が産まれるようにする。
緑の女は大地を作った。誰も生きていけない世界から命が育つようにする。
黄の男は季節を作った。風を吹かせ世界を回す。
「綺麗な白髪」
そう少女は赤の男に言われ始めて自分の色を知る。
少女は感謝した。自分を救ってくれたことに。この暗闇と極寒が支配する何も産まれず、何も生きられず、何も変わらない大地を変えてくれたことに。
そんな白の少女は4人を気に入り一緒に過ごすようになる。特に赤の男は特別気に入った。
赤の男は4人のリーダーであった。何もない大地を作り替えようと他の3人に指示をしていく。自由できままな青の女がどこかへ行った時には連れ戻し、産まれた生き物とすぐ戦おうとする黄の男を止めていた。
恋した白の少女はなんとか赤の男を振り向かせようと色々行う。しかし、今まで何もないところで過ごしてきたのでやることなすことすべてが空回りの連続だった。
氷の世界に閉じ込めようとしても赤の男は自信の熱で溶かして出てきてしまう。暗闇に閉じ込めても光を作り出して無効化される。自分の身体へ飲み込み一体化しようとすると雷のような速さで逃げられる。どんなことをしてもダメで困っていた。
そのため、他の女へどうやったらうまくいくのかを聞いた。青の女は何もわかってくれなかったが、緑の女は親身に聞いてくれた。そうして、白の少女は緑の女から愛についてたくさん聞き、教えてもらった。
緑の女からの授業を終え赤の男攻略へ向かおうとしたとき赤の男の妻と名乗る女が現れた。赤の男はその女に雷の力を与えて眷属に置いた。
「許せない」
白の少女は怒った。白の少女は女を捕まえ、殺そうする。しかし、少女は殺せなかった。もし、女を殺したら赤の男が自分のことをどう思うのかわかっていたのだ。白の少女は悲しんだ。赤の男に自分だけを見てほしい。そのためにこの女は邪魔なのにこの女を殺したらもうその願いは叶わない。
少女は女を殺すことをやめ逃がす。少女は悲しんだ。初めて恋をし、失恋した。
少女はそこで恋を止めたがその影響は世界にとって大きかった。怒りと悲しみは周囲へと伝播した。
閑話だけでは少ないので本編も今日出します。